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桜の国チェリンと七聖剣【百七十八】


 桜の国チェリンから脱出した俺たちは、飛空機(ひくうき)に搭載された通信端末を利用して、リーンガード宮殿の天子(てんし)様とアークストリア家のロディスさんへ連絡。

 天子様直轄(ちょっかつ)の護衛とアークストリア家の私兵の合同部隊に保護され、なんとか無事にリーンガード皇国へ帰ることができた。


 帰国後は全員すぐに大きな病院へ搬送され、そのまま緊急入院。

 敵に『未知の毒使い』がいたということもあり、凄く高そうな医療機器での精密検査・優秀な回復系統の魂装使いによる治療・高名なお医者様による問診を受けた。


 ちなみに俺たちに用意されたのは、六台のベッドが置かれた大部屋。

 はじめはそれぞれに個室が割り当てられる予定だったのだが……。

「ローズさんはとても強い人だけれど、だからこそ、今の傷付いた彼女を一人にしておくわけにはいない」――そう判断した会長が病院と掛け合い、全員一緒の大部屋にしてもらったのだ。


 そして現在、時刻は午後二十一時。

 特別に外出許可をもらった俺は、りんご・果実水・駄菓子などなど……みんなの気が紛れるものを買うため、病院近くの商店へ足を運んでいた。


「これとこれと……。後は……うん、どうせだし、これも買っておこうかな」


 手持ちのお金が少ないため、あまり豪華なものは買えないけれど……何もないよりはきっとマシだろう。


「これでよしっと」


 目的を果たした俺はサッと会計を済ませ、リアたちの待つ病室へ戻った。


「――みんな、ただいま。果物とかいろいろ買ってきたよ」


 俺が扉を開けるとそこには、青の入院着(にゅういんぎ)を身に(まと)ったリアたちが、ベッドに腰掛けながらお話をしていた。


「アレン、ありがとうね」


「わざわざ、すまないな」


 リアとローズは柔らかく微笑み、


「アレンくん、ありがとう。とても助かるわ」


「病院の晩ごはんは、めちゃくちゃ味が薄かったからなぁ……。駄菓子のジャンクな味が恋しかったんだ!」


「感謝感激なんですけど……!」


 会長は感謝の言葉を述べ、リリム先輩とティリス先輩はきらきらと目を輝かせた。


「いえいえ、気にしないでください。それよりも、みんな元気になったみたいで本当によかったです」


 リーンガード皇国へ到着したとき、リアたちは自分の力で立てないほどの深刻な衰弱状態にあった。

 精神的な疲労も大きかったようだけれど、何よりの問題は著しい霊力の消耗だ。


 桜の国チェリンを()ってから数時間、フォンとディールの魔の手から確実に逃れるため、俺たちは飛空機を最大出力で飛ばし続けた。


(あれはただでさえ燃費が悪く、普通に飛行しているだけでも多くの霊力を消費してしまうからな……)


 そんな『大食らい』を最高速度で稼働させ続けたことで、リアたちは重篤(じゅうとく)な『霊力欠乏症』を引き起こしてしまったのだ。


 その一方、俺は自分でもびっくりするぐらい元気だった。


 飛空機の霊力消費を遥かに上回る速度で、どんどんどんどん霊力が回復していくのだ。


(なんだろうな、これ……)


 胸の奥底に、巨大な『二つの力』が(うごめ)いているのを感じる。


 一つは、ゼオンの邪悪な力。

 一つは、謎の神聖な力。


 両者は折り合いが悪いのか、バチバチと激しくやり合っているようだ。


 まぁこの力について考えるのは、いろいろなことが落ち着いてからでいいだろう。


■とても大事なお知らせ■

なんと本日、新連載を始めました! 新作は『連載開始直後』が『一番大切な時期』なので、応援どうか何卒よろしくお願いいたします……!


タイトル:世界最強の大魔王、貴族の落ちこぼれに転生する~無能・生き恥・面汚しと蔑まれ、実家を追い出されたけど、二千年前の力が覚醒して無双する~

URL:https://ncode.syosetu.com/n4842gn/


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