桜の国チェリンと七聖剣【百五】
「し、死んだかと思った……っ」
目と鼻の先で大爆発を浴びたリリム先輩は、その場でポスリと座り込み、
「じゅ、寿命が三年は縮まったんですけど……」
驚愕の表情を浮かべたフェリス先輩は、ポツリとそう呟く。
「……ふぅ、さすがはアレンくん。今の攻撃を完璧に防ぎ切るなんて、やっぱりとんでもない出力ね。でも、おかげで助かったわ。ありがとう」
何やら事情を知っていそうな会長は、ホッと安堵の息を吐き出した。
「いえ、こちらこそ。警告を出してくれたおかげで、なんとか間に合いました」
大爆発が起こったあの瞬間――俺は咄嗟に闇の衣を展開し、リアたちを包み込んだ。
その結果、彼女たちは爆風を浴びることなく、全員無傷でやり過ごすことができた。
「ありがとう、アレン。でも、あなたは大丈夫なの? どこも怪我はない?」
「すまない、アレン。また守られてしまったな……。ところで……お前は無事なのか?」
リアとローズは心配げな表情を浮かべ、俺の身を案じてくれた。
「あぁ、問題ないよ。それよりもバッカスさんは……?」
俺と彼の間にはけっこうな距離があったため、闇の衣の防御が間に合わなかった。
(もし今の大爆発を生身で食らっていたとしたら……)
まず間違いなく、かなりのダメージを負っているだろう。