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観賞者で干渉者  作者: 鷹村柚希
First world パターン:救世主補佐
15/29

第十五話 間違いを犯しても、深刻なものであっても、やり直す機会は必ずある。失敗とは転ぶことではなく、そのまま起きあがらないことなのです。……ごめん、捻挫した

 


再び感想をくださった和砂さん、ありがとうございました!

え、感想って返信できたの?Σ(゜д゜;)……ああ、本当だ。できる(´・ω・`)

もっと調べておくべきでした。申し訳ありません。


ですが、せっかくですので、感想をくださった方に前書きでお礼を述べさせていただくのは、続けようと思います。

羞恥プレイとか公開処刑とか、そんなんではないのです。

ただ単純に、嬉しいのです。ビタンビタン。


そして総合評価ポイントが1000点に達しました!

皆様ありがとうございます!



 





現在、私達の前では、レモンの騎士(リモーネさん)が床に頭を擦りつけんばかりにDO☆GE☆ZA☆をしている。



いやー、この世界でもジャパニーズDO☆GE☆ZA☆って通じるんだねぇ……。


ぼんやりとそんなことを考えていると、あの場で私達と居合わせたもう一人の騎士さんが、絞り出すように声を発した。


「逃げられた……だと」


騎士さんは私達とレモンの騎士の間に立ち塞がるように仁王立ちし、握られた拳は怒りによって、前日うっかりマナーモードにしたまま就寝してしまったため、朝になってアラームを鳴らそうにも全く気付いてもらえない携帯電話のごとく震えていた。


こちらからは背中しか見えないが、おそらく般若のような形相をしているのだろう。


ちなみに私はマナーモードのアラームでもバッチリ起きられる。

異世界トリップで培われた危機管理能力により、ちょっとした周囲の変化でも目を覚ますことができるのだ。


うんと気を抜かないと風で窓が揺れただけで目が覚めるから、ある意味めっちゃ不便だけどね!


「すみません騎士団長おおおおおお!!」


レモンの騎士は土下座をしたまま、負けず劣らず震えている。


いや、こちらはバイブレーションどころか電動ノコギリのようにガタガタ揺れてるけど。


てゆうか騎士さん、騎士団長だったんか。

道理で王女サマ(白さん)重要人物(ノア)の近くにいると思った。


そして、騎士団長とゆうフレーズで騎士団長(ナイ●リーダー)を思い出した私に罪はない。

全然似てないけど。


「貴様……国家反逆者を逃がしたなどと……覚悟はできているだろうな?」


「ひぃい!!ももも申し訳ありません!!」


騎士団長からドス黒いオーラが立ち上っているのが見えたのは、おそらく私だけではないと思う。


だってみすみす毒殺犯(未遂だけど)逃すとか……お前なんのために騎士やってんだよ。ププー(失笑)


ノアと白さんは、この状況にどう言うこともできず、無言でおろおろしている。


「ホント申し訳ないです!!すみませんでした!!どんな処罰も受けます!!」


「当然だ!……だが、お前から逃れるとなると、相手は相当の手練だな。とりあえずお前は「切腹しろ!介錯してやる!!」そうだ切ぷ……え?」


なんの前触れもなく口を挟んだことに、騎士団長が一瞬言葉を失う。

他の二人も似たり寄ったりな感じだ。


その一瞬を(のが)さず、残像を残しながらレモンの騎士に歩み寄る(・・・・)



そして、




「そいやああああああああああああああああ!!!」



「うわあああああああああああああああああ!!?」




掛け声と共にレモンの騎士にネックハンギングツリーをかけ……ようとして、危ないので指の筋力だけで甲冑の胸倉を引っ掴むのに変更。


鉄製の鎧に指型のクレーターができた。



「てめええええええ!!わざわざ()が目星付けてやったってのに逃がしたってのはどうゆう了見だこのスンバラリア星人!!」



「スンバラリア星人!?」


ノアの素っ頓狂な声を聴きながら、レモンの騎士をガクガクと揺さぶる。


レモン色の髪がヘドバンよろしく揺れる度に、掴んでいる甲冑がピシピシ砕けていくが、ここで誤ってボリッともいでしまわないところが大河内瑠璃です。


「何故逃がした!お前はそれでもナイトか!それともバイトなのか!?このレモン石鹸が!!この石鹸野郎!!ダ●゛モイスチャー!!」


「格上げされた!?てゆうかやめろ!そこまでする必要ないだろ!今すぐやめろ!リモーネさん死にそうだろ!!」


「イエス!ユアハピネス!だが断る!!」


「断るのかよ!てゆうかユアハピネスってなんだユアハイネスの間違いか!?レ●アハピネスみたいになってるだろ!石鹸とゆうか洗剤から離れろ!!」


「てめーの敗因はたったひとつだぜ……たったひとつの単純な答えだ。『てめーはおれを怒らせた』!ルリーシュ・ヴィ・ブ●タニアが命じる!貴様は死んだほうがなんぼかマシだったってゆう目に遭え!!」


「エグいわ!!あと違和感なく別のセリフ繋げるな!そして変えるな!」


「末代まで呪ってやる!二十代でハゲろ!ハゲ散らかせ!どうせお前の血筋なぞお前の代で途絶えるだろうが、この話だけは七十五日を過ぎようとも世間から一生消えることはないだろう!!」


「しつこっ!!そして失礼極まりないな!!」


「粘着系男子の本気を見せてやる!おニューのかさぶたペットに食われろ!家の裏でマンボウが死んでろ!!」


「瑠璃は男子じゃないだろ!!じゃなくて、もう許してやれよ!ああもう、わかった!わかったから!何かしら罰を与えたいのなら俺が代わりに考えるから!それでいいだろ!」


「At the mercy of Messiah.(救世主の慈悲にお任せしよう)」


「だよなぁ、そう簡単に引き下がるわけ……ごめん、今なんて言った?」


「あんたの判断に任せるっつたんだよ、一発で聞き取れ」


「あ、ああ、悪い……」


あれだけしつこかったのがあっさり過ぎる程あっさり引き下がったため、ノアは拍子抜けしたらしい。


高校生レベルで今の英語を一発で聞き取れという、理不尽な物言いに反論することもなく、歯切れ悪く返答する。


「で?」


「え?」


呆けているノアに、さっさと先を促す。


「代わりに考えるんだろ?どーすんだこいつの処遇。さっさと決めねぇと()の右腕にある邪気眼が暴れ出すぞ」


「……。瑠璃が言うと本気で起こりそうだからな」


ノアは高校生に似合わないなんとも思い溜息をつくと、少しの間考えるような仕草をした後、いささか迷うような表情を残しつつ言った。


「……じゃあ、リモーネさんには邪神再封印に行く時着いて来てもらうってことで」


その言葉に、騎士団長と白さんは驚愕に目を見開いた。


ノアの決めた代わり(・・・)に、()は満足気に笑う。


「んじゃあそれで決定ね。騎士団長さん白さんも、救世主(ノア)が決めたんだから反論はなしよ。彼にはこれ以上お咎めなしってことで」


「なっ!?……た、確かにこいつは騎士団の中では実力は高い方だが、邪神の再封印に同行できる程かどうかは……」


「そんなのは団長さんが決めることじゃないよ。ノアが決めたんだ。それでいいじゃんよ」


ねーノア、と振り向くと、ノアは一瞬答えに詰まったような間を置いてから、ホッとどこか安心したように小さく息を吐いた。


ま、気持ちはわかるがね。

もういつも通りの瑠璃ちゃんですよ。


ごめんねーびっくりさせて。


「あー、まあ…………とりあえず、リモーネさんを放してあげなよ」


ノアに言われて手元に視線を落とすと、レモンの騎士は白目を向いて気絶していた。


オウ、シット。


「うわ、ごめん。さすがに悪いことしたわ。半ば八当たりだったし」


私はレモンの騎士を床に下ろすと、手早くケアルラをかける。


せいぜい脳震盪(のうしんとう)程度だと思うけど、念のため。


ついでに両手パンして壊した甲冑も直しておく。


「謝るならちゃんとリモーネさんに謝れよ。今のはさすがにやりすぎだ」


「うん、わかってるよ。でもごめんね、びっくりしたでしょ」


さすがに無意味なことをしたとは思っているため、素直に謝る。


珍しくしおらしい私を見てどう思ったのか、ノアはどこか怖いものでも見るような表情を浮かべて、眉を(ひそ)めた。


「……何かあるなら相談しろよ」


頼りないけど、と、彼は小さく付け足して言った。


それに対して、私はただ曖昧に笑うだけである。


「それよか、彼はもう完璧邪神再封印チームメンバーってことでおk?」


「随分と軽いな……まあ、リモーネさんが拒んだら考え直すつもりだけど」


「そうかい。じゃあ決定だな」


「……話聞いてたか?」


「 レモンのきし が なかまになった! ▼」


「どこのド●クエだよ!てゆうかレモンの騎士て」


「 ニックネーム を つけますか? ▼」


「と思ったらまさかのポ●モン!?」




















***************






    side:森本ノア





「君が言った通り、おかしいのは私だよ」




そう言った彼女(・・)は、瑠璃じゃないと思った。



世界の全てに絶望したような。


望みを全て諦めたような。


今まで見たこともない、そんな()をしていた。


ほんの数秒にも満たない間の出来事だったため、その時はあえて何も言わなかったが、普段の自由放埓(ほうらつ)とした彼女からは考えられないような、負の感情で満たされた深い淵のようなものが、顔を覗かせていた。



そして、リモーネさんを吊るし上げた瑠璃は、その時と同じ()をしていた。



リモーネさんへ向けられる怒りも、以前ホワイトさんに向けたものとは違い、ろくに筋通ったものではなく、言動もどこか空回りしている。


彼女は本当に瑠璃なのか?


本来なら有り得ない疑問が沸き起こる。


それでも、俺は彼女を瑠璃と呼び続けた。


呼ぶのをやめれば、本当に彼女は瑠璃ではなくなってしまうような気がしたから。


馬鹿げた考えだとはわかっている。


だが、彼女が瑠璃の(・・・)笑みを浮かべ、いつもの飄々とした態度に戻った時は、ホッとした。


そして手の中で気を失っているリモーネさんに珍しく少し慌てながら、八当たりだったと、驚かせて悪かったと謝ってきた。



八当たり。



つまり、リモーネさんに怒ったわけではない。


なら、何に対しての八当たりだ?


俺は、さっきの彼女を思い返した。


絶望を抱えた瞳で、自分はまともではないと言った彼女。


瑠璃が情緒不安定になったのは、あの発言があってからじゃないか?



なら、彼女をあんな行動に追い込んだのは――

















――――俺か?













「なーなー。レモンの騎士ってポジション的にイエローだよね?髪の色といい、この残念っぷりといい」


「残念とか言うなよ!可哀相だろ!てかなんでいきなりレンジャー物!?」


「形から入りたがるのが私です」









白さんが……空気だ……。

あれ?フラグ立てたいんだよね?……あれ?


そして何故にシリアスぶる。

もっと軽く!もっと気軽に!何故だぁーーーー!!

どうしてこうなった……。



元ネタの紹介

※作中で説明(?)があるものは省きます。


騎士団長ナイトリーダー

某禁●目録の登場人物


・スンバラリア星人

ゲーム「学校で●った怖い話」でとあるルートを選ぶと、登場人物の一人の正体がこうなる。


・てめーの敗因は…たったひとつだぜ…DI●…たったひとつの単純な答えだ…『てめーは おれを怒らせた』

某有名漫画の承●郎のセリフ。


・ル●ーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる。貴様らは死ね!

元某帝国の皇子のセリフ。


・ハゲ散らかってろ!

某銀の侍の漫画に出てくるセリフ。


・粘着系男子の本気を見せてやる

・おニューのかさぶたペットに食われろ

・家の裏でマンボウが死んでろ

家/の/裏/で/マ/ン/ボ/ウ/が/死/ん/で/る/P様の楽曲「おニューのかさぶた、ペットに食われろ」の歌詞の一部。

(※スラッシュは検索避けです)


・邪気眼

邪気眼とは、選ばれし者が持つという第三の眼である。Ⅱチャンネルを原典として生まれた・・・

(ニ●ニコ大百科参照)



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