第1話 - ロリは夢から来る
初投稿です。(強い意志)
つたない文章で恥ずかしい限りですが、誤字脱字や表現の誤り等ありましたらご指摘ください。
2020/6/22 自分で納得がいく物語が書けなかったので書き直しました。
明日から毎晩投稿するつもりです。
第1話 - ロリは夢から来る
彼の名前は比呂理之ごく一般の家庭で育ったといってよいだろう。見た目はごく普通、背はそれなりにすらりと伸びていて、清潔感はある。
見た目にこれと言って変な部分はない、普通に生活していれば妻子をもって幸せな家庭を築くだろう。が、彼の性格はなかなかねじ曲がっている。
一言で表すならそう……ロリコンだ。
まずは彼の日常から見ていこう。
――カーテンの隙間から日が差し、無慈悲にも朝が来たことを告げる。
「ん」
寝覚めはあまりよくなかった。昨日、夜更かしをし過ぎたことを恨めしく思う。見た夢がとてつもなくいいところで終わってしまったからだ。
あと、とんでもない悪態をつかれた気がする。
「可愛かったなぁ……」
思わず口走る。今まさに誰かに自分の表情を見られてしまえば、間違いなく通報されてしまうだろう。
朝からそんな気持ち悪い顔を浮かべにへらにへらと顔をにやつかせる。
「うーわ、お兄ちゃんキモっ」
眠気眼に唐突に毒づきをしてくるのは我が妹である。どうやら起こしに来てくれたようだ。
こういうところは可愛いものである。だが、どうしてか性格に難があって、そこが悔やまれるところだ。
容姿は本当に自分と血がつながっているのか疑わしくなるくらいに可愛い。
「お前なぁ……黙ってればかわいいんだから余計な事いうなよ」
「お兄ちゃんは黙ってても気持ち悪くてしょうがないよ」
朝っぱらから妹に悪口を言われて少しヘコむ、一応人並みに傷つくのだし。
「さっさと起きて下に来て支度してよ、後片付けできないじゃん」
そんな風に言われるもんだから、ムッとして布団にもぐる。
「お兄ちゃん傷ついたぞーーはやく起きてって言ってキスしてくれないと起きれないなぁ……」
「わかった、ご飯いらないってお母さんに伝えておくね」
そう冷たくあしらって、我が妹は階段を下りていき――
「おかーさーん!お兄ちゃんがおかあさんのご飯なんかいらないってー」
母親が騒ぐような声が下から聞こえてくる。
「ぐ」
まずい、朝から飯抜きなうえに親に叱られるのはごめんだ。仕方なく起き上がる、ふといつもより体が少し重く感じた。
「なんだ、少し身体が怠い、なんだろ、いつも通りにはねているはずなのに……」
いつもと調子が違うのが少し気になったが、まぁ良い。軽い身支度を整えてスマホを片手に下へ向かう。階段を降りてすぐ、母親がいた。
「とうとう反抗期なのね……遅かったけど、良かったわ……」
ハンカチを目に当てる素振りを見せる。
「いや、ウソ泣きはいいよ母さん、あと反抗期ってわけでもないと思うよ、単に眠かっただけだし」
「あらそう、んじゃさっさとご飯食べていきなさい、朝ご飯は大事よ」
「わかってるよ、母さん」
ケロッとした様子を見るからにウソ泣きだった。まぁ、こんなことでいちいち泣くような人ではないことはよく知っている。
俺たち兄妹を一人で育ててくれた、とてもやさしく、強い人。そんな人に反抗するなんて俺にはできない。
「ほらおにいちゃん、学校遅刻するから早く!」
妹が急かす、そういえば今日から同じ高校に通うんだった。
妹は一つ下の学年で今日がその初日の登校日、入学式は先週の出来事だった。
さっさと朝ご飯をたべて、残り支度を済ませてから外に出る。
春の陽気が目に染みる、新しい季節を告げる風が心地いい。
「今日からお兄ちゃんと同じ学校かぁ……」
「なんだ、いやなら別々に登校するか?」
「お兄ちゃんが一人で学校行くのかわいそうだからしばらくはついて行ってあげる」
「なんじゃそら」
通学路を妹と歩く、高校は家からそんなに遠くはなく、歩いて20分ほどの距離だ。
余裕があるからゆっくり準備ができるが、今日は少々ゆっくりしすぎたようだ。
すでに時計は8時を過ぎようとしていた。朝のホームルームが8時半だから今からでも間に合うとはいえ油断できない。
「急ぐぞ」
「わかった」
二人は歩調を早め、学校へ急ぐ。
学校についてすぐ、妹はクラスメイトと思しきと人たちと共に教室へむかった。
友人の居ない兄に対して、妹は社交性にも優れていたようだ。まぁ、構わない。
少し悔しいと思いながら、俺は俺で教室へ向かう。
その途中で今朝見た夢を思い返してみる。とてつもなくリアルな夢だった。普段から、よく妄想癖があるがその妄想を極限まで再現したかのような夢だった。
ロリートピア
そう、名付けた世界は俺の理想郷だ。たくさんの見渡す限りのロリたちに囲まれて一生を終えられる世界。でもやっぱりそんな中でも印象的だったのが。
『あなたが好きよ』
そう告白してくるロリに俺は確かに恋していた。
夢であると知ってひどく落胆したがそれでもリアルすぎた、まるで其処にいて本当に告白されているような気持ちになった。
そして今朝に至る。察しがつくとは思うが、俺はいわゆるそういうたぐいの"趣味"を持った人間だ。
ロリは可愛い、可愛いは正義、正義は合法、つまりはそういうこと、OK?
これを読んでドン引きするのは結構だが、なぜ読んだのか是非聞いてみたいものだ。
そうはいってもこの世界はそれを許さない。結局俺も理性あるうちは妄想の中でかつ、二次元にしか興味はない。
真のロリコンになるにはこの世界は早すぎるのだ。またあの子に会いたいなどと思いながら教室へ入る。
「理之、なんだその顔は」
「うーわ理之、朝からやばいなぁお前」
いきなり自分の顔を貶される、そんなに悪い顔ではないと思うのだが。教室に入るとそこには普段から気の合う連中が顔を見せる。
「朝からなんだ、失礼だぞ」
「だってよぉ?そんなイッてそうな顔して教室に入ってきたら、誰もそう言うって」
ちょっと意外かもしれないが、一応友達と呼べるものはいる。と言っても、俺はあまり進んで仲良くはしていないのだが。
「そんなことよりよぉ、昨日家帰るときにすっごいもっこりちゃんみちゃってさ~」
「へーどんな子なの?」
「それがもうめちゃ可愛くて、思わず写真撮っちまったよ!」
「うわー引くわー」
さらっと犯罪行為を独白する友人とそれを適当に聞き流している友人に少し呆れる。
「めっちゃロリやん、理之がうつったか?」
「俺を犯罪の代名詞みたいに使うなよ、さっさと写真を消せって通報するぞ」
流石に俺だって犯罪をするつもりはないのだから、一緒にしないでほしい。そう思いながらも友人は。
「まぁいいから見てみろって」
そう言ってスマホを押し付けてくる。画面に目をやると、少女が写っていた。うわぁ……と思ったが、どこか見覚えのある少女だった。
「あれ……」
「もしかして、この子が噂の理之の妹者?紹介して!」
「いやちがう、あいつはこんなに可愛くない」
それよりもこの子、どこかで見たような……
『あなたが好きよ』
ハッと思い出した、あの夢の少女だ、間違いない。ロリソムリエである俺の感がそう告げる。友人に問い詰める。
「この子、どこで見た!?」
「え、駅前のゲーセン近くだったと思うけど、知り合いか?」
「そんなところだ、この写真もらうぞ」
「え、は?犯罪って……」
「バレなきゃ犯罪じゃない」
そう言って友人のスマホを操作して、画像を自分の端末に送る。画像の受信を確認して、教室を飛び出した。
「何だいきなりそんな慌てて……」
「おい、授業はどうすんだ」
「今日は体調不良で休みって伝えといてくれ!」
「「え~……」」
そんな声を背後に聞き取りながら、俺は学校を飛び出した。
明日もお楽しみに(絶対書く)