読みやすい短編集

ファミリーレストランは今日も大勢の客で賑わっている。 この店の従業員は、私と店長と、雑用のアルバイト数名の他は、すべてロボットだ。とはいえ、我々人間の仕事も決して楽なわけではない──── （ショートシ//

一年に一度の校内行事、文化祭。 不思議な縁もあり、「僕」の所属する将棋同好会は、野鳥同好会と展示スペースを共にすることになった。そこで「僕」は、野鳥同好会の「先輩」とともに、共同制作を始めることとなる//

「夜の一時三十分をまわりました。毎週木曜日、ここからは、『夜風のRADIO』のお時間です」 　勉強机の上のポータブルラジオが、肌寒い夜に彩りを与える。

彼の体を支えているのは、彼本来の力ではなく、清潔に保たれた白いベッドに他ならない。

商品を袋に詰めている際のエンターテイメント面の価値と、獲得した品の価値の総和が、三百円という価値をゆうに越えることは想像に難くない。

ハトが歩いていた。 頭を前後に振って歩くその姿は、平和の象徴とされるのも納得の様相であった。

雨宿りを目的に入った廃ビル。なにやら、話し声が聞こえるが…？

僕らは爆弾を作った。 それも、世界が跡形もなく消えてしまう規模のものを。 たしかに、僕らはこの世界に絶望していたはずだったのだ。

地方球場で行われた、夏の甲子園予選の二回戦。 試合は終盤戦へと突入していた。

──車体の側面には普通列車という文字が表示されていたが、白と水色を主体としたその車両は、どちらかと言えば鈍行と呼ぶ方が相応しいように思えた。

朝起きると霧が世間を覆っていました。 僕はコートを羽織り、扉を開け外に出ました。 そんな僕の目的は、人と話せるようになることです。