恋愛もの

　夏休みの初日、近所の空き地でカマキリを捕まえていると、見知らぬ女性に声をかけられた。 　彼女はなぜか、昆虫のことにめちゃくちゃ詳しくて……

　新米ジャーナリストの僕は、駅前で挙動不審な女性に声をかけ、取材を始めた。 　何気なく職業を尋ねると、彼女は気まずそうに「ニートです」と答えて……

　――無性にハムカツが食べたい気分だった。 　ふと小腹が空いた俺が足を運んだのは、昔から世話になっている近所の精肉店だった。

「姉ちゃん。俺、彼女できた」酔っぱらった姉に告げると、彼女はいいオモチャを見つけたとばかりに俺を弄ってきた。まったく面倒な奴だ。そんな姉の愚痴を、恋人である川端に話す帰り道――

　ピザトースト……食パン、玉ねぎ、ピーマン、ウィンナー・ソーセージ、トマトケチャップ、タバスコ、ガーリックパウダー、スライスチーズ 　コーンチーズトースト……食パン、バター、マヨネーズ、コーン、ス//

　俺の幼馴染みはアイドルだ。 　けれど今、彼女とは音信不通で全く連絡が取れなくなっている。会いたい――そう願いながら俺は、過去の記憶へと想いを馳せる。

　あらゆる嘘が許される日、エイプリルフール。すなわち、嘘をつくのが大得意な俺の日だ。 　俺はアパートの隣室に赴き、そこに住む女性――もっさんを騙しにいこうと画策した。

　卒業式。今日、俺は告白する。三年間の片想いに終止符を打つ。 　と、決意を固めた矢先、俺の眼前にひとりの少女が立ち塞がり――

　今夜は仲良しOL四人で女子会だ。 　好き勝手に酒を呑み語り合っていると、ひょんなことから話題は“好きな人”のことに移り――

　ある真夏の夜、俺は疎遠になっていた幼馴染みの女の子と偶然にも再会した。 　秋が過ぎ、冬が訪れ、その間俺は彼女のはたらくコンビニへと頻繁に通い続けた。けれど、彼女のことを異性として意識しているわけでは//

　なんの比喩表現でもなく、この世には悪魔がいる。そして、彼らは他人を騙すことで充足を得る。 　これは、そんな悪魔の端くれと、正直者な女性の邂逅の物語である。

　電車の中、ひとつのイヤホンで繋がる男女。 　そこから流れるラブソングに、彼は自分を重ねる――

　ある日、俺のもとへ一通の結婚披露宴の招待状が届いた。 　感慨深い気持ちで手紙を開くと、そこに記された名前を見て、唐突に俺の胸中は荒れ狂い出した――

　夫婦喧嘩で家から追い出され、渋谷の街を彷徨う。 　人の海に溺れて薄暗いビル影に避難した俺は、そこでギャルの二人組に遭遇して……

「夏だ！」「海だ！」 　もう残暑という季節に、急遽として友人たちと訪れた海水浴。その面子の中には、俺が片想いしている少女がいて……

　俺の実家の喫茶店では、ひとりの少女がバイトをしている。 　とある事件から心にぽっかりと空洞が生まれてしまった彼女のため、なにか俺にできることはないだろうか……？

　所属するアマチュアロックバンドの単独ライブを終え、今日は愛しのリコと街中デートだ。 　恋人と過ごす甘美な幸せを噛み締めながら、けれど俺はリコとの関係に、一抹の不安を隠せずいた――

　一週間前、俺はカノジョと別れた。さほど未練はないはずだった。 　なのに、別れた日からこの身を苛む謎の倦怠感はなんだ……？

　俺はイケメン、彼女はデブ、そして今日はバレンタインデー。 　恋愛に生きる男女たちにはやはり特別な日、いつもとは一味違ったデートとなる予感に、俺の心臓の鼓動は高鳴るが……⁉

　ある冬の日、俺は無名の手紙に校舎裏へと呼び出された。 　赴いた先で対面したのは、級友の桜庭。いったいなんの用か？　尋ねるより早く、彼は迸る敵意をもって俺に殴りかかってきた。

　元・国民的アイドルのサツキ、今日は愛しの彼との初デート。 　他愛もない、けれど彼女にとっては新鮮なデートを存分に満喫していたのだが……⁉

　ハロウィン当日の昼下がり。公園のベンチに座る少年の手には、キャンディの詰まった袋があった。彼はそのキャンディを使った、ある計画を立てていた。

　降りしきる雨を一身に受けて孤独に佇むひとりの男。 　彼は重い鉄鎖に縛られながら、どこか遠くへ思いを馳せた――

　恋に盲目な大学生、射手慧輔。ある日の放課後、彼は想い人である鹿中里に呼び出されて――⁉

　夢みたいにロマンチックな冬景色の中で、彼女に「わかれよう」と言われた。 　その翌日、すっかり傷心した僕は学校を休んでベッドに潜り、なぜ自分がフラれたのかを考えてみた――