竜を討つ

作成ユーザ: 松本遊心
青年は決意を新たに扉の前にいた。目を閉じ口を引き締めて一つ頷くと、その重い楕円扉の中ほどのぶ厚い木の把手にちからを込めて両手で押し開いていく。ギギギと、うす闇の中に白光がゆっくりと青年を包んだ。
 青年が扉の先へ一歩進むと、そのまばゆい光に、彼は目を細めて思わずてのひらをかざした。目の前には広大な大地が広がり、澄んだ青空に厚く重そうな白雲が灰色の影をいくつも射しながら、遠くかなたまで浮かんでいる。目を転じると白ともうす茶ともとれるさまざまな地層の堆積があちらこちらに見られた。
 青年はフッと息を吐くと、複雑に起伏する堆積層をとんとんとステップを踏んで進むと軽快な足どりで大地へ降り立った。そよぐ風に彼は片腕を上げた。砂煙が舞い上がる。目を細めながら前を見ると、白く強い太陽光が真上から照らし、右手には樹林の中にあって深い緑のブッシュが強い生命力を宿して一面を覆って奥へと続いている。左手は中小さまざまな大きさの白茶の堆積層と大地が海岸線へとつながるようにどこまでも伸びている。
青年の選択肢は右路か左路か……。

竜を伐つ【右路】

青年は決意を新たに扉の前にいた。目を閉じ口を引き締めて一つ頷くと、その重い楕円扉の中ほどのぶ厚い木の把手にちからを込めて両手で押し開いていく。ギギギと、うす闇の中に白光がゆっくりと青年を包んだ。  青//
作品情報 N5648MN 短編 空想科学〔SF〕
掲載日:2026年 09月 30日
最終更新日: 2026年 09月 30日
キーワード: ESN大賞11 なろうフェス2026 秋の文芸展2026