詩

気がつけば随分と歩いてきた。その中で沢山あった事は、きっと無駄では無く、そしてまた歩き続ける。

この間、ふと見上げた月が満月でもないのに、余りにも光りを放つから。思わず脳裏に浮かんだイメージを書き付けた散文詩。

過去は沈黙し、未来は先を歩み続け、現代はただ静かに進むのみ。――そんな時計についてのキャッチコピーに触発された『詩』です。

神なる堂にて祈る女。それに応えて出てくるものは。

喪って分かるその大事なモノ。刃は傷を刻むだけではない。

独白、語りに近い表現者の叫び。それを詩の形に近い物にしてみました。

闇はいつでも優しい隣人。吐露した気持ちも優しく覆ってくれる。

あなたにあって、わたしにない。でも、わたしにあって、あなたにないものも、きっとある。

どんなに苦しくても、最後には自分の内より出でたるそれを信じる。そんな表現者の叫び。

身に巣食うそいつは誰だ。解き放たれたら止められなかった。

悩みなき人生等無い。苦しまない歩みもまた無い。

呪いという言葉にすれば、それはひどく強くなる。でもこれは呪いなのだろうか。それとも……。

流れていく世界の中で、留まる何かを残せし為に、日々進む方々に捧ぐ。

耳元でいつも二対の声がする。どちらが正しいのか、いつも私は悩ましく思う。