神と罪のカルマ
これは、『愛』の強さを知る物語だ――
「いつだって、世界が厳しいことには変わらない」
「それでも、願い続けることを辞めてしまっては何も変わらない」
『眠れない四年間』と呼ばれる最悪の時代があった。
『大量無差別殺人事件』。
突如と現れた『恐怖』は、日本という島国を襲った。
時間も環境も関係ない。ありとあらゆる殺人方法で決定的な証拠を一切残さずに、人々に『死』を与え続けた事件。
そんな悪夢が『終わった』と宣言されてから、約五年。
「五年ごときで『恐怖』が終わるわけがない」
これは財峨仁樹(ざいがひとき)が最愛の人――縁 朋音(ゆかりともね)と生きていきたいと願ったから生まれた物語。
罪を犯せば責任を負う。
忘れることは大罪だ。
残りの時間を精一杯生きていこう。
例え、多くの人に望まれなくても。
自分を愛してくれる人がいるのならば。
自分が愛したいと想う人がいるのならば。
最後のチャンスだ。生きていこう――……