短編

我が城の玉座にて、歪んだ円の中心を探す。

とにかく好きなものの話がしたい。好きにしたい。

絵を描く気は1mmも起きないが、仕方なくその楽しくもない絵を描いている。理由は分からねぇ。

猫は賢く、感情の揺れも人間のそれに等しいのですが、人間の目には愛玩動物に映ることが多いと思われます。僕にとって、人間という種族はコミュニケーションの対象ではありません。しかし、少しでも猫という種族を理//

お嬢様は本がお好きだ。 正しく言えば、本というアイテムそのものがお好きだ。読む読まないに関わらず、身近に取り寄せる趣味がある。 お嬢様は私に向けて言葉を発せられた。 「……好きでお嬢様になったワケ//

テレビを見ている時、テレビもまたこちらを見ているのだ。

兄さんに手紙を書こうと思ったのは、つい先日のことだ。 その時、僕は確かにペンを持っていたんだけど、気付けばそれを喪失していた。 手元を探しても、影も見当たらないのである。 もしかして異空間に消えた？ //

少女が通う雪の森には、小さなキツネが暮らしている。 頼りなく震える身体、穴倉で丸くなる尻尾を、少女はいつも心配しながら眺めた。 無垢な少女は、ただキツネの幸福をだけを祈って、その姿を見守るのだった。 //

憧れの錬金術院に就職したマイケルは、婚約者のレベッカに婚約破棄を言い渡され、職場をクビになり、失神してしまう。 すべてを失った彼の前に現れたのは、国の王子であるウォーレスだった。 彼の力を借りて、マイ//

べっぴんいち。 べっぴんに。 ひとつ飛ばして べっぴんよん。

近くにいるときは、女の子で良かったなって思う。 気持ちが溢れると、女の子じゃなかったらって思う。 笑顔を見るたびに矛盾する。