シリーズ化した短編

「お姉様だけズルい」 それがメリッサの口癖だった。口を開けばズルいズルい。ケーキが食べたい。ドレスが欲しい。アクセサリーが欲しい。魔法の言葉を口にすればなんでも手に入ると思っていた。実際、両親は末っ子//

自分でもうさんくさいと思う外面を貼り付け、今日もアカデミー棟にあるアルサム＝ベルガの研究室を訪れる。無視されるのも重いため息を吐かれることももう慣れた。けれどそれは人付き合いが苦手な彼が私を遠ざけるた//

平凡平和平穏。そんな言葉がよく似合うリットラー王国には少しだけ変わった慣習がある。第一王子が十歳の誕生日を迎えると王子妃候補者が三人選ばれる。正式な王子妃を決めるのは十八歳になってから。生涯のパートナ//

婚約者が婚約破棄を宣言したので。

諸事情により愛する婚約者　マティアスと一ヶ月離れて過ごしていたシンシアが彼に下したのは『一週間薬湯の刑』ーーそれは一週間毎日薬湯に入れられるという、マティアスにとってはとても恐ろしい刑であった。※離れ//

田舎の男爵令嬢でありながら第一王子の婚約者になってしまった私だが、選ばれた理由が意味わからないし、婚約者である王子はろくに話すらしてくれない。約束だったあちらから時間指定したのになかなか来ないし……。//

2020/10/15の活動報告に掲載したお礼短編です（モードレーフ王国シリーズ2）

大好きなギルバール様が送ってくれる手紙はいつも私に幸せを運んできてくれていた。けれど今は綴られた文を読めば読むほど不安になってしまう。 なにせこの三ヶ月以上、彼と一度もお会いしていないのだから。（モ//

神薙　隼人には5人の彼女がいる。 私、夕凪　玲子がそんな彼氏から与えられた番号は5番。彼女の中でも優先順位が一番低い。

「隼人、今日の買い物なんだけどさ……ってなんで死んでんの？　昨日は玲子ちゃんとデートだったんじゃないの？」 授業中以外は基本うつ伏せで話しかけんなオーラを朝から前面に出していた隼人であったがそれは三番//

『２月』といえば何を思い出すだろうか？ ※『五番目の女』『唯一の女』の続編です。

神薙　隼人は落ち込んでいた。傷口に塩をキロ単位で塗り込む友人達の言う通り、彼はホワイトデーの約束をし忘れたのだ。※『五番目の女』『唯一の女』『五番目の女のバレンタイン事情』の続編です。

東の大陸一の国土を有するシェファラリード王国には一体のドラゴンがいる。そのドラゴン、シェファラリードの悩みは花嫁についてのことだった。

もう何万年と平穏な日々を送り続けたドラゴン、シャルロワールの平穏な日常を壊したのはたった一人の少女だった。 ※「身体目当ての婚姻」の娘の話。

「ブランディーヌ、お前との婚約を破棄する」（ラプラス商会シリーズ1）

うちに来ていただけませんか？（ラプラス商会シリーズ2）

　悪役令嬢に転生した私は思った。悪役令嬢なら自分の好きなカップリング作れるんじゃないかなって。

奇行に走る義姉ロクサーヌとその婚約者ガインを見てきたロクサーヌの義弟の話。 ※『エンディングが見たかった』義弟sideのお話です。

「初香ちゃん。二人きりでデートしたくない？」 私にそうやって耳打ちをしたのはつい先日まで恋心を抱いていた相手、真田だった。

九重初香を初めて認識したのは雪が溶け、まだ肌寒い季節のことだった。 ※『打ち上げ花火は夜空に消えて』の秋庭sideのお話です。