在りし日

旧題　語り継ぐ話 「お前、よく生きててくれたな。本当に、嬉しいよ。有難うな」 とある盗賊の頭が、そろそろその座を誰かに押し付けようと考え始めた頃、その息子である男は秘かにその群れから離れる事を考えてい//

旧題　語られぬ話 「絶対に、食い残すなよ。そして、絶対に、この姿を引き継げ。他の奴の姿で、あいつと馴れ合うのだけは、許さない」 ……幼い子供を頭領として、世の中を渡り歩く盗賊集団。 残虐なのに、頭領を//

旧題　語り継がれぬ話 「すぐに諦めるくらいだから、平気なんだと思ったんですけど」 「はあ？」 「まあ、当然ですよね。他人に強要するんですから。自分がされて嫌な事は、人にはするなと、流石に教えてもらって//

「他の奴らは、どうやってそんな終わり方を作ってるんだろうな……」 「満足できるように、話を強引に捻じ曲げてるに、決まってんだろうが」 雨の時期になると、人が消える村 しかも、消えるのは決まって旅人の男//

旧題　語るべきお話 「発端の旗本家は、お主らにくれてやる」 「え」 「その代わり、子供を買っていた商家は、奉行所で裁く。その家の詳細も、教えて行け。その後は、その旗本家を、煮るなり焼くなり好きにいたせ//