テーマ詩集：空

　青空が嫌い。 　大嫌い！

　羽もつのもないぼくが。 　あおむけになれば、高くて青い空。

　この季節だけの緑の空、スイカスカイ。

　でっかい空のしたには、ちっぽけなぼくたち。 　目が届き、手をのばせるのは、わずかな空でしかない。

　翼もないのに空にはなたれても、自由に飛べるわけもなく。 　だったら、地上のほうがよっぽど自由に歩き回れるよね。

　ひとは空に憧れ、空に囚われてしまう生き物なのかもしれません。 　その想いに翼があったなら、はばたいてゆけるのに。

　壁は、世界と僕を隔てるのみにあらず。 　壁も、僕も、世界の一部だときづいたとき。 　空は、ときに蒼く、朱く、昏く。 　だけど、いつも高く、遠かった。

　未来も、かなたも知ったこっちゃない。 　とりあえずは、この頭上に広がる天から、ぶっちめるか。

　なんのイメージも浮かんでいない空を、あたしは飛ぶ。

　どんなときも、見あげればでっけえ空がある。

　赤錆の浮く西空に夕|陽《ひ》は沈み、青錆の浮く昼空は太陽を吊るす。