詩集をチクチク刺繍する

高校の教室内、どら焼きの生地をはがして食べようとする女の子に、近くにいた男の子が二枚の生地に包まれながらあんこを食べるすばらしさを語る、かもしれない話。

食卓で起こる殺人事件。家族団欒の居間の中、枝豆をつまみながら犯人はわたしですと少女は語るものの、不起訴のためなにも起こらない話。notギャグ注意

女の子が男の子に恋焦がれるはなし。

プールの授業。水泳が嫌いで友達もいない少女が溺れ、しゅわしゅわ解ける泡になる夢をみる。たちのぼる泡をみて少女は嬉しくなる、そんなはなし。

女の子の砂糖菓子みたいな初恋が、口いっぱいに広がってあまくとけたというはなし。

授業の後の十分休憩。甘い飴を口にくゆらせていたら、隣の席で男子が蹴っ飛ばされ、周りの子が忍び笑いをもらしている。席替えをしたばかりで忘れていた、隣の席の男の子はクラスの除外者だったのだ。そう思いながら//

高校生、化学の授業とキシレンと後ろの席の男の子のはなし。

たいむわーぷのましんにのって、あの日に戻りたい、やら、あの日が消えた、みたいなはなし。短い。

卒業式に泣かない私は、それだけのものを得られなかったのだと言って、涙をポロポロこぼす人を見て唇をかむ。そんな話。

だめだめな人が、明日がこなければ楽になれるのにと願う、暗い詩

ガラスなハートのひとが生きるのつらいという詩。

穴の破けた風船みたいに高い空から水底まで落ちるのをみている。

深夜にオレンジソーダを喜々とし飲んで太る。

ははがはははとわらうまで。

100円コーヒーの詩。

ハルちゃんがハルちゃんな理由。

単純にきみを想えないというはなし。

太陽よりも暗やみがすきなはなし。

世界のピースとして、代わりはいくらでもいたとしてもだれかに必要とほしいというはなし。

深夜に缶ビールをのみつつ楽しくなる。

言いたいことを飲み込んでおなかがいたい話。

教室で一人の女の子がいなくなる。

残り物でもいいので心の欠片をくださいというはなし。

おなかににつめたひみつ。

からっぽでくるしいという詩。