連れ戻さないで

作成ユーザ: 船越 蒼波
人が失踪するとき、たいていの人は思う。身体さえ見つかれば、物語は終わるのだと。
けれど身体はまだ呼吸を続け、記憶はまだ言葉を持ち、その声だけが存在しない街から届くのなら――それは、もはや捜索ではない。

東京の雨はホームの縁に落ち、プラハの鐘は削除された録音の底で鳴る。過去を知らない誰かに売る者がいる。後悔をゲームの中に隠す者がいる。そして、別の人間の声で「大丈夫」と言うことを覚える者がいる。

仮想犯罪捜査局の捜査官ジャック・ハーヴェイが追うのは、現実から消えたプレイヤーたちだ。彼は当初、救助とは彼らを肉体へ連れ戻すことだと信じていた。
一人の失踪者が母親に音声を送るまでは。
> 連れ戻さないで。
これは、機械が世界を支配する物語ではない。
選択肢を増やしすぎた人間が、なお互いの選択を尊重できるのかを問う物語である。

幻境の呼び声

2078年、東京。 仮想空間『幻境深淵』で失踪した青年・林霧が、現実の病室で目を覚ます。だが意識は二つに分かれていた。 一方は母のもとへ帰りたいと願い、もう一方は「帰る自分が本当に自分なのか」を恐れて//
作品情報 N2086MO 完結済 VRゲーム〔SF〕
掲載日:2026年 08月 03日
最終掲載日:2026年 08月 03日
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