神殺し篇

　未来の傷を視る目を持つが故に他者を厭い、精霊と森の奥でひっそり暮らす不老の青年、ウィルベルク。 　好物のスイーツだけを楽しみに生きていた彼はある日、森の中のあばら屋へ越してきた奇特な兄弟の話を聞か//

　人魚連続失踪事件は無事解決された。但し―――最悪の結末で。 　呆然自失のウィルの前に現れたのは、二卵性双生児の弟。そこで持ち込まれた一枚の写真は、彼を再び血腥い事件へ誘う。 　悲しき対の旋律に導//

　環紗で月が妖しく、そして美しく輝く夜には注意する事だ。哀れな首がまた一つ狩られ、血飛沫で衛星は赤く染まるのだから―――。 　隣人の兄弟を連れ、そう囁かれる街へとショッピングにやって来たウィル。休暇//

　誠の記憶喪失を治すため、不死族の使者リュネと面会するウィル達。吃驚仰天する彼女を尻目に、副聖王はいつも通り捜査の依頼を行う。 　部外者を半ば強引に誘い、死傷者数万人の連続放火魔を捜索するため、かつ//

　愛する隣人達の、突然の訃報―――。 　鬱病を再発し、希死念慮に囚われるウィル。だが現れた神父に導かれ、かつて兄弟が旅立った場所へと単身向かう。 　太陽の光も殆ど届かぬ、最果ての惑星“黒の星”。澱//

　命懸けで光の世界へ帰還したウィルは、愛する誠や大切な仲間達との束の間の平穏を楽しんでいた。 　だが花見の宴の席に現れたのは、二十五年前起きたテロ事件の遺児、ハイネ・レヴィアタ。彼は事件の後遺症で不//

　“銀鈴”事件も一応収束し、ウィルと隣人兄弟は気分転換のため“赤の星”アミスの遊園地を訪れていた。 　しかし楽しい時間は、現れた冥府の仔に因って無残にも引き裂かれてしまう。動揺をどうにか隠す彼に追い//

　無事退院したアイザを迎えるため、復帰パーティーを開催する白鳩調査団。だがここ数日落ち込んでいた誠は、仲間の元気な姿にも自責の念を解こうとしなかった。 　そんな彼の気分転換になればと、病院への慰問依//