ホラー

　絵師見習いの少女はある日、器量よしと評判のお鈴を素描する。 　少女の素描を元に師が描いた錦絵は評判を呼ぶが、それが悲劇の幕開けであった。 「……あなたが描いたんでしょう？」 ◆ 時代小説風の和風//

　気がつくと石段をのぼっていた私は、山門でしゃべる猫に会う。 　夢か現か。猫が差し出したのは、一匹の蛇の死骸だった。 　──これをお供えしていただけませんか？ ◆ じんわりとした少し不思議なホラーを//

事故で腕を失った私は、再生移植手術を受けた。 最近では、機能を増幅強化するオプションをつける人間が大半だという。 無事に成功したはずの手術だったが──。 ◆ 一話完結。 生物学や医療要素のある、静謐な//

「推し活」が世の中で話題になって久しいですが、決していい面だけじゃあございません。 キャッキャと同じ趣味を楽しむかと思いきや、修羅場になることもありますようで……。 人の心というのは、なんとも難儀なも//

サーカスの空中ブランコ乗りの双子姉妹。 姉・咲子は、自身の婚約者である赤月氏と妹・燈子の関係を誤解し、ショーの途中で身を投げる。 DƎPTさん主催の『ツキムシとてんと』向けに執筆した作品です。 DƎP//

　女の子との飲み会で、めいっぱいはしゃいだ帰り道──。 　夜道を歩いていると、街灯が突然明滅する。 　幽霊に遭遇する男だが──。 「……どしたん。池にでもハマったん？　水も滴るいい女ーいうことかいな//

　不審な人物が私の家を訪ねてきた。 「某先生の弟子になりませんか？　その代わりに、アイデアを利用させてください」 「イヤです」 　派手なスーツの胡散臭い男と、アマチュア小説家である私との攻防がはじ//

　和室の天井に、手型のしみが浮かんでいた。 　おそれる私に、祖母は言った。 「天井を張るときに触った大工さんの手の脂が、何年かして浮かんでくるのよ」と。 　──では、これは一体なんだというのだ──。 //

　うたたねから覚めたあと、見ていたはずの動画のチャンネルが切り替わっていた。 　──チャンネルS。 　見たことのない、地方のチャンネルだ。 「お使いの地域では、ご利用いただけません」 ◆ 一話完結。//

　メメント森は、理不尽な社会の搾取構造に怒っている。 　頭の中にいる架空の幼馴染・イヌマエルと共に、彼女が選んだ逆襲の手段とは──？ ◆ 純文学とサイコホラーを掛け合わせたような作品です。 社会構造の//

「先生、早く書いてください。以前大ヒットした『アンタッチャブル・ソウル』みたいな感じで！」 　脚本家をしている主人公は、編集からの催促に頭を抱える。 　いいアイデアが思い浮かばず、いつものように創作//