傀儡国家・満州国
かつて日本は、植民地を有していた。台湾や満州、朝鮮などである。植民地には日本人を住まわせ、そこで農業や漁業のほか、その土地の多くの資源を収奪していた。そのための労働者は主として現地の住民を使った。日本が敗戦すると、植民地の日本人は、本国の日本に帰ることになった。この行程を「引揚げ」と呼んだ。それまで植民地の盟主だった日本人は、一転して現地の住民から敵視された。日本への引揚げまで一年余りの期間、現地民から疎まれ、食料の確保や、それを買うためのお金をどこかで調達し生活を維持しなければならなかった。当時、日本本土では米英と戦争中であり、食料をはじめ、あらゆる物資が欠乏し、貧困のあえいでいた。一方の植民地では、豊かな食事や住まいがあり、生活を満喫できていた。
日本の敗戦は、日本人の立場や生活の質を一挙に逆転させ、植民地の日本人は、帰国できる時期すら判らず、食うにも困り怯えていた。このような日本人が遭遇した当時の一断面を描いてみた。
日本の敗戦は、日本人の立場や生活の質を一挙に逆転させ、植民地の日本人は、帰国できる時期すら判らず、食うにも困り怯えていた。このような日本人が遭遇した当時の一断面を描いてみた。