等級《三》の凡才治癒姫

セルケンバイン帝国南部地方きっての《旧き剣の貴族》フォン・ヴェルン男爵家の長女アマーリエには癒しの女神聖ニーファの加護があった。
が、残念ながら等級は《三》。
聖堂都市エルンハイムで七歳から十年間の修練を積んでもそれ以上にはあがらなかったため、貴族の姫君として辛うじて名誉が保たれる治癒医師になることはできなかった。
十八歳で生家に帰されたアマーリエは婚約が決まるものの、身に覚えのない継母毒殺未遂の冤罪をかけられ、実の父の裁定で森の古城に生涯幽閉されることになってしまう。
しかし、護送の途中で、馬車が怪物に襲われた偶然が、不運な凡才治癒姫の運命を変えることになる――

中世ドイツっぽい魔法のある異世界を舞台にした、十八歳の女の子が主人公の冒険ファンタジーです。

強くなくても、特別でなくても、大胆で勇敢で変わり者でなくても、だれだって自分の人生では主人公です。ごく平凡な脇役たちが自分のできるかぎりの力で活躍するファンタジーをお求めの方、どうか読んでください。