手紙

いつの間にかいなくなっていた君へ。 この借りは必ず返すので僕は三流悪役のようにこう言おう「覚えてやがれ」と。

会心のストレートがきまると思ったが、君にそのつもりはなかったらしい。キレが鈍った瞬間に上手いこと逃げられてしまった。だから次は罠を張ろうと思う。

抱き締めたまま「もう離さない」とか言えばいいんじゃないかな。

を広げるか広げないか。 原稿用紙三枚分の惚気話とか書いてあったら再び丸めて捨てること請け合い。何故丸めてあるのか考えてみる事からがスタート。

殺意の高い呪いと嘘吐きと誰か。

例え主がいなくなっても、巻かれたネジの分だけ律儀に動き続けるのだ。倒れても壁にぶつかり続けて、もがいているようにしか見えなくても。

確かに今日はまだ四月だから。