三姉妹

どこかの世界の王女三姉妹。 三女のオリヴェイラは物憂げに外を眺めていた。灯りをつけても見えない闇の中、ザアザアと降る雨の音、その音にかき消されるような小さい声でオリヴェイラは呟いた。 「さようなら//

　どこかの世界の王女三姉妹、第一王女のエリザベータは妹が憎たらしくて仕方がない。 　自分の求める物を全てもっているのにもかかわらず、どこか影のあるその顔を見ているだけで腹が立つのだ。 ガタンゴトン、//

真実の愛ってやっぱり素敵ね！ そう笑う一人の女。とある世界の国の第二王女イザベラ。彼女はずっと愛している。恋をしている。 もうここにはいない大切な人、愛おしい人、そして彼らが残したたった一人の妹を、こ//

　青い空の下、子供たちが笑っている。声をかければ、顔を上げて満面の笑顔で駆けてくる。兄弟同士、仲違いせず、共に尊重し、支え合い、愛することができる、かつての自分がこの光景を見たら、信じられなくて口を押//

「オリヴェイラ王女との離婚は済ませてある。これよりお前は当家の者ではない。……恩を仇で返した恥知らずが。」 恥知らずはどちらかと、男は笑った。