短編集　いろいろ

伊豆の峠に鎮座するある地蔵の話。四季折々に訪れる様々な客と、峠の天辺にある甘味処を中心とした何気ない日常を切り取った物語です。

睡魔と私の攻防戦。誰にでも起こりうる日常戦線のお話。この話の主人公はあなたかもしれません。

　駅で友人を待っていた「私」はホームから上がってくる人々を観察して時間を潰していた。すると、いつの間にか隣に立っていた老人から、今ホームから上がってきている彼らは皆私の劇団の劇団員なのです、と衝撃的な//

　堕天の兆候のある天使を身籠った夫妻と医者の話。提示された三つの選択肢を選ぶのは未来のあなたかもしれません。

　昭和初期、学友との食事を終えた主人公は火照った体を冷まそうと冬夜の東京の町を散策する。そこで目にした見慣れない横路に入ると、その先の広場に精神異常者の紙芝居屋がいた。 　主人公がからかい半分に覗いた//

　今夜が命日の「僕」の元に悪魔が現れた。悪魔は命の散り際に見える最期の輝きを見たい、と言って「僕」に三つの願いを叶える代わりに、三つ目の願いが叶った二年後に魂を頂くという提案をする。

　狭い路地裏で男同士が何やらする話。

　ある博士の遺品の手記にはポケットについての考察が述べられていた。誰もが持っているポケットこそが未探索の未知であると説いたある博士の話。