企画参加作品など短編

　１０年ぶりに長岡駅に降りたら、知ってた頃とは随分様変わりしていた。 　８月２日…長岡花火の日。全国的に有名なだけあって、駅は人でごった返している。 　あたしは、高校時代、一度だけここに花火を見に来た//

　「大きくなったら結婚しようね」──幼い頃の初恋と約束。それをずっと覚えていることは簡単だけれど、約束を果たすのは難しい。 　中学入学とともに大きく変わった世界。それに抗えなかった少女は…。 　武頼//

　大学時代の４年を過ごした部屋に別れを告げ、今日、あたしは故郷に帰る。 　さよなら、昨日までのあたし。 　銘尾友朗さまの『春センチメンタル企画』企画参加作品です。

　俺の名は、神木（かみき）経之丞（みちのじょう）。仕事は警備員だ。名は体を表すの言葉どおり、神の道を行く男だ。 　自慢じゃないが、大抵のことは人並み以上にできる。というより、はっきり自慢になってしまう//

　雪の降った日、風花ちゃんはお庭に小さな足跡を見付けました。それは、冬の妖精の足跡だったのかもしれません。 　公式企画「冬の童話祭2020」参加作品です。

　森の中、毎日のように雪の上にある足跡。初めはリスのものだったそれが、ウサギになり、タヌキになり…。私は、その足跡の観察を続けた。

　「んふふ、そんなに照れなくてもいいんじゃない？　こうされるのが涼の夢だったんでしょう？」 　俺の膝の上に座って足を組み、しなだれかかってくる夏先輩。 　本来なら、間違っても、俺の膝の上に座って、両手//

　俺には前世の記憶がある。記憶が戻った時、コミュ障も甦ってしまった。 　せっかく引きこもってたのに、公爵家跡取りの俺に、王家との婚約話が持ち上がった。 　その上、顔合わせでふたりきりにされてしまって。//

　坂上円（さかがみ・まどか）は、１４歳。最近妙な夢を見るようになった。幼なじみの中野大樹（なかの・ひろき）が出てくる夢。中学に入る頃には、ほとんど顔も合わせなくなったのに…。それ以来、大樹のほっぺから//

　ボクの名前は天野流月（あまの・るな）。一応１５歳。１１歳の時に事故で死んで、双子の妹の光流（ひかる）の中で生きてる。 　ボクは、一時的にだけど光流と入れ替わって体を動かすこともできる。 　元々ボクら//

　交通事故で死んだ天野流月（あまの・るな）は、双子の妹の光流（ひかる）の中に住み、モデル月乃ヒカリとして活動していた。 　けれど、光流が小学生の時の同級生：綾瀬颯真（あやせ・そうま）と再会し、光流が恋//

　勤めて４年目の新人看護師が、突然コロナ病棟の師長を命じられた。 　病院の改装から陣頭指揮を執る“歌って踊れる万能ナース”の奮闘。 　これは、【紡ぎあう絆】企画参加作品です。 　理不尽に対し、抗うこ//

　僕っ子の神在葉月（２２歳）は、幼なじみ兼婚約者の如月睦月と遠距離恋愛中。長くこじらせた初恋を叶えたのも束の間、コロナのせいで睦月が帰省してこないからだ。 　そんな睦月がクリスマスに帰ってくると聞いて//

　街を破壊する魔物が現れる時、異界から神が降臨する。 　 ※　これは家紋武範さま主催「夢幻企画」参加作品です。

　人間はみんな平等だ、なんて言葉は嘘っぱちだ。 　だって、あたしのこの体格は、どう見ても平均的じゃない。 　ほとんど全てが平均的なのに、ただ体の成長だけが大きく後れている佐藤ちずる。 　体はちんちくり//

　焼津充は、仕事のストレスから、バイパスでスポーツカー相手にあおり運転をした。 　その顛末は…。