トンチキ異世界の短編集

私は重度の冷え性を抱えている。 ある日ふと気づけば石畳の広間で異世界に召喚されていた。石の冷たさに震える私を見て、兵士や神官たちは「聖女様が瘴気を受け止めておられる！」と感涙…いや寒いだけなんだけど…

腰痛持ちの私は仕事帰りに電気店のマッサージチェアに座り「はぁ…これこれぇ…そのうちマジで買うかなぁ」と目を閉じた瞬間、異世界に召喚されてしまう。…それもなんとマッサージチェアごと！

慢性的な貧血持ちの私。 電車に乗っていて立ち上がった拍子にクラッとして気を失い、気づけば異世界に召喚されていた……

重度の花粉症に悩む私は、くしゃみで電柱に頭をぶつけ、気づけば異世界に召喚されていた。鼻水・くしゃみ・涙目というおなじみの三点セットは、この世界では「瘴気を祓う奇跡」と勘違いされるらしく…

異世界に召喚された主人公の前で、大司祭が「古の大聖女の聖なる石板」を差し出す。 …だがそれはどう見ても初期のiPhone。魔石で充電すると起動し、まわりは奇跡だと大騒ぎ！ 見ていくと残されたメッセージ//

布団でスマホ片手に寝落ちした主人公が目を覚ますと、そこは異世界の大神殿。聖女として召喚された彼女の手の中でスマホが震える。その時スマホがLINEを受信。「神託だ！聖具が応えた！」と騒ぐ人々。 みたい//

私は30代女子。 あまり仕事にやる気はないが、飄々とこなしているのでお客さんウケは悪くない。そんな私の唯一の楽しみはタバコを吸う事だ。 その日もいつものように一服しようとベランダにいた。ところがライタ//

胃が弱く、脂っこいものもお酒もすぐアウトな社会人女子。ある日飲み会帰りにベッドへ倒れ込んだ拍子に、気づけば異世界に召喚されていた。青い顔でお腹を押さえる彼女を見て、人々は「聖女様が邪を受け止めてくださ//

接客業の私は、日々のクレーム客を「犬」に無理やり変換して心を守っていた。意地悪な犬、拗ねる犬、意地汚い犬、嘘つきな犬……そう思えばそれはそれで可愛い。そんなある日、犬の散歩を眺めながら歩いていて段差を//

偏頭痛持ちの私は、天気が崩れる前日からズッキンズッキン頭が痛む体質だ。薬を飲んでベッドに倒れ込もうとした拍子に転け、気づけば異世界。そこでまた頭痛が始まり「これ絶対雨ふるじゃん…」とつぶやくと、数時間//

残業続きでエナドリ漬けの女子。飲んでも眠い、飲まなくても眠い。結局眠くてだるい日々の帰り道、歩きながら盛大にあくびをした拍子に側溝へ落下――気づけばそこは異世界の広場だった。

深夜、ジョジョ立ちを決めていた私はバランスを崩し階段から転落――気づけば異世界の戦場。夢だと信じてノリで叫ぶ。「スタンド攻撃！キラースメル！」。すると背後に瘴気を纏ったスタンドが出現し…

失恋のやけ酒で目を覚ませば、そこは見知らぬ森。二日酔いで頭が割れそうな主人公は、寝ぼけ半分に「頭痛よ、膀胱に流れろ〜」と手をヒラヒラさせてふざける。ところが本当に痛みは下腹部に移動し、草むらで用を足し//