短編

　女は傭兵で、男はれっきとした軍人であった。しかし彼らは、恋人であった。 　――「剣姫」と呼ばれる女傭兵 　華奢と思えるはずの身体で身の丈以上の長剣を操る女。今現在彼女がいるは、ガルローザ国軍第三大//

三時間かけて魔法陣描いたんですけど。――ライラナ・ファールは悪魔を呼び出した。

「俺が、ずっと生きてきたのは、このためだ」 突然跪き、ぼろぼろと泣き始めた男性に、私はひきつった。 けれど、不意にその表情をどこかで見たことがある気がした。――ああ、彼だ。 君と巡り会うためなら、//

〈悪魔〉を信奉する狂った科学者 (信徒) たちによって実験される子どもの内、一番新しく来た少年とそれ以前からいる少女の話。「僕」は、そのとき虚ろな目をした彼女に何を言うべきだったのか。(二話完結、一万//

　夫は軍人、私も軍人。私はひょんなことから、軍の狂犬と結婚した。 　戦場で口を開けば「最善策は殲滅」な、軍で一番危ない男の手綱を取ることを任されたイザベルと、当のどうしようもない「狂犬」と呼ばれる夫//