怖い短編

思い出の町に行くために運転しつづけたが、見知らぬ山道に迷い込んだ。 夜は更け、道は無人。 （どこかで車を止めて夜明けをまとう） 「わたし」はそう思い、寂しい場所に車を停めた。

理由は全くわからないが、あらゆる人がこう言う。 「おまえのせいだ、全ておまえのせいだ、責任をとれ」 なにを責められているのか。 どうすれば許してもらえるのか。

汽車の座席の真向かいに座る老婆が、一挙一動に至るまで、しつこく観察してはひそひそと呟いている。

一体何度、そんな質問に答えてきたのやら分からない。 靄で覆われた道は果てしなく長く、奇妙な分岐点をいくつ通過するのかも、まるで分からないのだった。 ※手直ししたものを「時空モノガタリ」さんにて公開して//

石ころだらけの河原で、えんえんと石を積んで行く。 「明日もまた色々ある……」 積み上げられた石は背丈を超えるほどになる。 いつ崩れるか分からない不安定な石の塔を、いっそ壊したいと思ったが。 ※他サ//

あやちゃん、と振り向いた時、後ろをついてきているはずの子供がいなくなっていたとしたら。 ※こちらの作品を改稿したもので、第１４０回 時空モノガタリ文学賞 【 育児 】にエントリーさせていただき、最終//

沖から吹く強風に逆らい、時間を逆流するようにして、海に会いに行く。

七夕に雨が降るのは、もしかしたら、わたしのせいかもしれない。

我慢の限界を迎えて怒りを爆発させた。 怒りを喰らった人々の反応は。

混雑する病院に子を連れて行った。 待合の時間が長く、子はじれてきている。 小さな子は他にもたくさんいて、喧嘩をしたり走り回ったりしていた。 それを、よく思わない人も、当然いるわけで。

全部、小さな子供たちが、操作していることだとしたら。