Mission to the Infinite World
互いを腐れ縁といってはばからない、リサとウィルの相棒譚。
毒を吐き合いながらも、背中を預けられるのはこいつだけだと認め合う。この二人の間に割って入れる輩などいやしない。
ネタ4
「どいつもこいつも、手応えねぇな。もっと手強い奴はいねぇのか?」
「ならば、ウィルさん。次はあのデカブツにしましょう」
物足りないとばかりに、両の拳を打ち付ける男に向けてエルナが言う。しかし、彼女が指差す先にいるのは、人の十倍以上の背丈がある魔物だ。気性は穏やかだが、戦闘になれば一転、大木さえも頭突きで折ってしまうほど大暴れする。
「……でかいな。怒らせると厄介だ。魔法で一気にしとめよう」
「丸焦げにしないでくださいよ、リサさん。あいつのお肉は、半生くらいが一番おいしいんですから!」
じゅるり。
少女が垂れた涎を啜った。
「あんたらさぁ……」
背後から聞こえた声に、リサたちは振り返った。視線の先で頭を掻いている声の主は、呆れ顔を隠そうともしない。
「自分たちが何て呼ばれてるか知ってんのか?」
「何て呼ばれてるんですか?」
男の突拍子もない質問に、エルナが問い返す。すると男が、ウィル、リサ、エルナの順に指を動かして言った。
「野獣、魔獣、食獣――だ」
毒を吐き合いながらも、背中を預けられるのはこいつだけだと認め合う。この二人の間に割って入れる輩などいやしない。
ネタ4
「どいつもこいつも、手応えねぇな。もっと手強い奴はいねぇのか?」
「ならば、ウィルさん。次はあのデカブツにしましょう」
物足りないとばかりに、両の拳を打ち付ける男に向けてエルナが言う。しかし、彼女が指差す先にいるのは、人の十倍以上の背丈がある魔物だ。気性は穏やかだが、戦闘になれば一転、大木さえも頭突きで折ってしまうほど大暴れする。
「……でかいな。怒らせると厄介だ。魔法で一気にしとめよう」
「丸焦げにしないでくださいよ、リサさん。あいつのお肉は、半生くらいが一番おいしいんですから!」
じゅるり。
少女が垂れた涎を啜った。
「あんたらさぁ……」
背後から聞こえた声に、リサたちは振り返った。視線の先で頭を掻いている声の主は、呆れ顔を隠そうともしない。
「自分たちが何て呼ばれてるか知ってんのか?」
「何て呼ばれてるんですか?」
男の突拍子もない質問に、エルナが問い返す。すると男が、ウィル、リサ、エルナの順に指を動かして言った。
「野獣、魔獣、食獣――だ」
鎖の絆でつながれた者
――世界は限られている。人類は澄みきった空と広大な海を忘れた。
七百年前の大戦で滅亡の危機に瀕した人類は、三体の守護者により安住の地を与えられた。生存圏と呼ばれる結界の中で、人々は平和な日々を送って//
掲載日:2013年 08月 17日
最終掲載日:2015年 04月 12日
作品に含まれる要素:
残酷な描写あり
キーワード:
ファンタジー
剣
魔法
相棒
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