GRSI〜銀河鉄道特別情報部〜

闇を疾走する星々の守護者たち

　宇宙の果てまで、煌びやかな光の軌跡を描きながら走り抜ける銀河鉄道。それは単なる交通機関ではない。高度な科学力と厳格な秩序によって維持される、銀河社会そのものの象徴だ。しかし、その華麗な列車の影には、誰も知らない闇が渦巻いている。政治的な陰謀、裏社会の犯罪、そして星々を脅かす巨大な危機。その全てから銀河の秩序を守るため、銀河鉄道株式会社の安全保障本部には、諜報機関が存在する。その名も、GRSI（銀河鉄道特別情報部）。

　GRSIは、政府や軍の介入が及ばない、銀河鉄道独自の法と秩序を執行する影の組織だ。彼らの任務は、鉄道の運行に関わるあらゆる危険因子を秘密裏に排除すること。情報収集、潜入捜査、時には武力行使も辞さない。彼らが動く時、銀河の平穏はかろうじて保たれるのだ。

　そのGRSIの中でも、ひときわ異彩を放つのが、若き精鋭で構成されたチーム「チームY」だ。冷静な状況判断力を持つリーダー、カケル。万物の「音」を聞く特殊な能力を持つミリアム。屈強な肉体を持つ格闘のスペシャリスト、イヴァン。百発百中のスナイパー、エミリー。そして、どんなシステムも解き明かす天才ハッカー、ノア。彼らは、個々の才能を一つの歯車として完璧に機能させ、数々の難事件を解決してきた。しかし、彼らが直面する敵は、常に想像を超えた狡猾さと残忍さを持つ。
この物語は、チームYが銀河鉄道という密室を舞台に、政治家暗殺の謎を追うことから始まる。彼らは、表面的な正義の裏に潜む欺瞞、そして人間の心の奥底に隠された闇と対峙することになる。真実を追うほどに、事件は個人的な復讐を超え、銀河全体を巻き込む巨大な陰謀へと姿を変えていく。

　彼らの行く手には、正義とは何か、平和とは何かという、答えのない問いが立ちはだかる。はたしてチームYは、自分たちの信じる道を貫き通し、銀河に迫る危機を食い止めることができるのか。そして、この果てしない旅の先に、彼らを待ち受ける運命とは──。

※カクヨム、Talesでも掲載中。ただし、第1話は変えてます。
※管理の都合を検討し、第5話以降は小説家になろうだけで掲載中です。