おやすみ前の短いお話

僕が所属する魔法士団の隊長は、尊敬できる上官だ。でもでかい。そしてゴツい。無駄に目立つ。本当に魔法士で良いのかこの人。実は騎士だろう！？ そんな隊長は損得を考えずに動いてしまう、困った所のある人で。 //

転生したら小国の第三王子だった。面倒な立場になるのが嫌で、能力も前世の記憶も隠した。けれど、留学先で出会った他国の王女に恋をした。彼女はまさに俺の嫌いな『面倒な立場』にいる人で。俺は、好きな子のためな//

　転生者は危険。そう言ったのは女神である。私たち双子には魔王になる素質があるらしい。膨大な魔力、特殊な魔法適性、闇落ちを見張るために付与された女神の加護。強すぎる力が危険視された結果、私たちは追放され//

私は必死に走っていた。 何故か？ 竜に追われていたからだ。 何故か？ 巣に忍び込んで落ちていた鱗を失敬したのだ。 何故か？ 手っ取り早くお金を作らないと借金のかたとして売られそうなので！ ＊他のサイ//

私がこの世界に『落ちて』きてから何年も経つ。生活はどうにか安定し、親しい人もできた。それなのに今更、日本に帰れると言われた。 帰還を断った私は、賢者様に頼まれて魔導具開発のアドバイスをすることになった//

召喚されて、勇者だと言われて。実際、それだけの力があった。けれど、この世界に魔王はいない。私が召喚された理由。それは、ただ強力な兵士が欲しいからだった。

森が突然、しんと静かになってしまったという。鳥の声も獣の気配もないと言うのだ。僕と先輩は何が起きているのかを調べるために、現地に派遣された。そこで僕たちが会ったのは⸺

いきなり異世界に転移させられた。加護としてもらったものは寸胴鍋。スープしか作れない。魔物もいる世界なのに。これでどうしろと言うんだ。 他サイトにも投稿されています。

僕の養い親は普通じゃない。愛されて育った自覚はある。大事にされていたと思う。ひとり立ちする僕に養父がネックレスをくれた。そして、必要な時にはいつでも呼べと言われたんだ。

人が結界の中で暮らす世界。その結界の維持を担当することになった僕は、魔力が足りないことに不安を抱いていた。 兄弟子がいてくれたら、彼の方が賢者に相応しかったのに。けれど、兄弟子は行方不明だ。 王との謁//

魔王を倒した勇者は、とうとう自由を手に入れた。

夢を見ていた。前世の夢だ。魔力があって、魔法があって、賢者と呼ばれていた世界の夢。日本にはもちろん魔法なんてない。それが僕には辛かった。だからだろうか。幼馴染に、夢のことを話してしまったのは。 ＊他//

召喚された勇者は小柄で幼げな少年だった。魔王を無事に討伐し、彼が望んだのは故郷に帰ること。けれど、それを叶えるすべはなかった。私は彼を召喚した国の王女として、彼の友人として、できる限りの償いをしたいと//

僕の養い親は魔王を討伐した英雄。加護を受けて人間を辞めてしまったせいで、年を取らない。いつからか僕とはきょうだいにしか見えなくなった。僕が成人し、ひとり立ちする時、父さんがひとつプレゼントをくれた。そ//

異世界に転移してしまってから、必死に生きてきた。恩人のもとを離れてひとり暮らしを始めた。仕事は冒険者。戸籍がない自分にできる仕事は少ない。日本にいた時よりも充実している。でも、たまに寂しくなるのはどう//

あの子が魔王になった。私は大事な弟子の一大事を牢獄の中で聞いた。牢から出された私に命じられたのは、勇者たちに同行し、回復薬を作ることだった。討伐を望まれている魔王はあの子なのに。 ＊主人公の性別を設//

魔王が討伐された後の世界。かつて魔王の領土だった『魔境』にひとりの男が護衛を連れて現れた。道に詳しい案内人の助けが欲しいらしいが……

転職のめどもつかないまま仕事を辞めた。もう限界だったのだ。どこか遠くに行きたかった。たまたま予定が合った友人と二人、キャンプに行くことになった。でもそれがこんなことになるとは。

編み物が趣味だった。男の子なのにと言われながらやめようとは思わなかった。良いものができるようにと祈っていた。けれど、日本には編み物の神様はいないらしい。 ＊他サイトにも投稿しています。

薬神の加護をもらって、異世界に転生した。私に薬の調合を教えてくれた師匠からは『人前で薬を作るな』と言われた。薬師を仕事にするのは怖くて、冒険者になったけど、気付けば薬草採取専門という扱いをされるように//

何度かの転生を繰り返していた。どれもあまり幸せな一生ではなかったかもしれない。今世の自分はどうやらかなり強い。森に引きこもって過ごしていたのに、ある日、勇者がやってきた。

拙作『勇者パーティに放り込まれた魔法使いだけど、私しか庶民がいない件』の元になった掌編です。 ※他のサイトにも投稿しています。

弟子がいた。可愛い弟子が。ひとりでもやっていけるようになった弟子を、若干の寂しさと共に送り出した……はずだった。