古木のホラー短編集

小学生の下校中、忘れた習字セットを取りに教室へ戻った少年は、その教室に恐怖し、急いで帰ろうとすると足がもつれてドアに頭を強打した。 痛がっていると耳元で「だいじょうぶ？」 とぬめっとした声が聞こえ振り//

赤くて丸い"奴"が私は憎くて嫌いであった。 しかし、また奴が現れ私と戦場で対峙する "奴"の正体とは…………

田舎に帰った都会育ちの女子高生は田舎のやたらとでかいイオンに向かう途中虫の羽音を聞く。 その羽音は虫の群れで、それはまるで人の影のように蠢いていた…

第二次大戦中、帝国海軍の潜水艦が交信不能に。 深海で拾われたのは、死者の声と、存在しないはずの「ふねのうた」だった。 静かなる絶望が、音もなく乗組員を喰らう。

短編小説ホラー 水面に立つ白い女は、赤子を抱いていた──中身のない布を。ダムの底の“産女”に名前を呼ばれたその日から、私の日常は濡れていく。

　大好きな給食を今か今かと待ちわびた小学生は、少しの休み時間に給食室をこっそりと覗こうとした。 すると…誰もいない厨房、しかしそこから漂う大好きな八宝菜の素晴らしい香り、その香りを辿って中に入った途端//

愛するあなたに手紙を送る。 読んでいくにつれ、その愛が本当か確かめたくなった。 あなたは本当に愛してくれているの？

戦場で瀕死の兵士の前に現れたのは、毛むくじゃらで鬼の面をした巨人だった。 水筒と引き換えに「大事なもの」を差し出した兵士は生還するが、戦後、その取引の代償が静かに迫ってくる――。

激臭を放つおじさんと同じエレベーターになった時、鼻を摘むわけにもいかず、息を止めます。 話しかけないでくれ、あなたの臭いに黙って耐えてるんだから……………

口裂け女が会う人会う人に聞く。 　「私、綺麗？」 その問いに答えるとマスクをとって裂けた口元を見せもう一度とう。 　「これでもーー！！？」 　「綺麗だよ」 　答えたのは目も鼻も口もないの//

　食肉加工場勤務の青葉若茶（あおばわかさ）は近道する為に通った路地裏の一角で殺人現場に遭遇してしまった。そして、恐ろしい殺人鬼は血まみれのナイフを突き立てこう言った。 　「お前、解体しろ！出なければ//

湯灌師── 亡き人の体を清め、旅立ちの装いを整える者。 湯で肌をぬくめ、髪を梳き、爪を切り、化粧を施し、白装束を纏わせる。 それは単なる作業ではなく、魂を静かに送り出すための儀式だ。 遺族の涙の向こ//