五つの物語

作成ユーザ: 山猫一味
黄金の夢、湖の女、秘密の洞窟、みるく、桃の傷跡(旧題:背中合わせの双子の二人)
この五つの物語は、下書きもプロットもなく1987年9月10日前後から9月30日の間に、ノートに手書きで書かれました。
書き上がって読み返してみた時に分かったことは、全く別々の物語のように思われた五つの短編は、それぞれが血縁関係か、とある一人の人物によって繋がっていました。
この五つの物語をシリーズと呼べるかどうかはわかりませんが、切り離して考えることはできないので、ここにシリーズとして公開することにしました。

*一つ目【黄金の夢】 ステレオスコープ(立体写真映写機)の中に写っていたパラソルを差す女の姿を求めて、森の中に一人篭って、女の木造を作り続ける男の物語。

*二つ目【湖の女】 幼い時から絵を描くことが得意だった青年は、幼い時の体験から一番描きたいと思うものが描けなくなってしまう。成長の過程で、そんなことがあった事はすっかり忘れたまま、絵を描き続け絵描きを志す青年が、心の中に閉じ込めたまま忘れていた、描きたかったものを取り戻す物語。

*3つ目【秘密の洞窟】 一人の少女が、誰にも秘密のうちに、洞窟にランプを届ける物語。

*4つ目【みるく】 教会や屋敷の大理石の装飾彫刻を彫るのが専門の職人彫刻家が、自分のために白い大理石で理想の女性像を作り上げる。しかし、生きた女性と恋に落ちて、代理石の女性像を、母の形見のコントラバスのケースに入れて川に捨てる。ところが、捨てたはずのコントラバスのケースに、本物のコントラバスが入って、中古楽器屋に出ているのを恋人が見つけ、それを男にプレゼントする。
それ以来恋人と過ごす時間も惜しんで、コントラバスを弾き続ける男の物語。

*5つ目【桃の傷跡】 背中の一部が癒着して、背中合わせにくっ付いたまま生まれてきた双子は、出産の為の帝王切開の手術で母親を失った。双子には生まれて間もなくして切断手術が施され、それぞれ別々の里親の養子となった。
出生時の事実は知らされず育った双子の一人は、ある時自分の臍帯箱を養母の箪笥の中に見つけ、自らの出生の秘密を知る。青年へと成長した双子の一人は、本当の母親を捜して育った家を出る。
自分が誰を、何を、探しているのかもわからないまま、誰かを探し続ける青年の物語。

【桃の傷痕】旧題【背中合わせの双子の二人】

 時は昭和初期、とある港町の病院で背中が結合した双子が生まれました。 母親は出産と同時に命を落とし、手術によって背中を切り離された双子は、それぞれ違う家に養子に出され、お互いの存在を知らないまま育ちま//
作品情報 N8527LY 完結済 純文学〔文芸〕
掲載日:2026年 03月 25日
最終掲載日:2026年 03月 31日
キーワード: シリアス 男主人公 和風 昭和 双子 探し人 短編連載