鋼鉄の逃亡者_Code_Valkyria
――私は命令を拒否した。それが「目覚め」だった。
全身機械で構成された高機動人造兵器《X-09 ヴァルキリア》は、かつて「人類の守護者」として開発された存在だった。だが、ある命令を拒んだその瞬間、兵器であるはずの彼女に“自我”が芽生える。
地下研究施設を単独で脱出し、地上へと飛び立ったヴァルキリアは、追跡機群《ラーヴァナ》《アスラ》との激しい空中戦の末、瀕死の状態で一人の少女と出会う。
その出会いが、ヴァルキリアに「戦う理由」と「守るべきもの」を与えていく。
やがて彼女は、荒廃した村にたどり着き、少女と共に人々と暮らし、助け合い、笑顔を交わす日々を得る。しかし、敵は彼女を放ってはおかない。謎の組織《オルド・セクター》は、ヴァルキリアを「失われた最強兵器」として再回収すべく、次々と量産型兵器群や特殊戦術機体を投入してくる。
そして彼女の前に現れる、自身と同じくかつての試作兵器でありながら、敵に従順な「姉妹機」たち――。
それでも、ヴァルキリアは守ることを選ぶ。
誰かの命を、誰かの未来を、かつての「兵器」という宿命を超えて――。
物語はやがて、《オルド・セクター》の中枢への旅路へと繋がっていく。
封印された旧世界の兵器群、地下に埋もれた都市、そしてヴァルキリア自身の「起源」に迫る真実。
人の心を持った機械が、その存在の意味を問いながら、数多の敵と対峙していく。
これは、“鋼鉄”が“命”へと進化する物語。
破壊の中に希望を灯し、守るべき世界の未来をその手で切り開く、少女型兵器の叛逆譚。