異世界で××

──異世界召喚──

　それは、現代の神隠しであり、如何なる法律を以てしても解決出来ない誘拐拉致である。
　そして、その異世界召喚からの無事な帰還率は一割にも満たない。

　そんな異世界召喚にとある青年が巻き込まれ、彼は異世界『カドゥール・ハアレツ』に降り立った。

　其処は中世ヨーロッパ風な建築物と魔法と魔物と地球人類よりも進んでいたり遅れていたり同じだったりする科学技術が混在する、デンジャラスが地球よりも近くにあるファンタジープラネット。
　─────しかし、巻き込まれて異世界にやって来た青年には《言語と文字を自動翻訳する素敵能力》しか与えられず、召喚対象である勇者の少年のような超絶パワーは皆無だった。
　ただ、勇者の少年が召喚者の願い──魔王の討伐──を叶えれば、無事に帰還出来るという親切設計。
　そこで、青年は勇者の少年が魔王を討伐するまでの間、勇者の少年を召喚した国『フンドゥース王国』を中心とした安全圏な地域を旅して回ろう思い立つ。


　そうして始まる、異世界召喚に巻き込まれた青年の──────────波瀾万丈な冒険譚(？)


　──此処に、開幕!!──