アンブレラ・セクター

西暦2021年。
東京上空に突如として、逆さまになった小大陸が出現。小大陸は徐々に高度を下げ、中央にそびえ立つ巨大な城の頂上は都心の大地に突き刺さり、東京全体が巨大な傘に覆われた様相を呈し、アンブレラ・セクターと呼ばれることとなる。
政府は小大陸がこの次元とは別の異空間に存在する『魔法界』
の浮遊大陸であると公式に発表。中央の城ーーバースフィールド城ーーの王女、クリスティーナ・アルフレッド・バースフィールドと、人類とは異なる亜人や様々な種族が人類の前に姿を現す。
また、『この世界』の各国政府や宗教組織も、魔法などの超越技術を遥か古代から保有していたことを公開し、世界中で物議を醸す。
魔法使いや亜人の登場。そして、"魔法"という特殊な技術を抱えた東京は各国の秘密機関やテロ組織に狙われ、大規模な混乱が勃発する。
政府は皇室を京都へ移し、臨時首都へと改定。政府中枢を大阪へ移行、準首都と定め、東京は府へと格下げされた。
日本全体が世界中から狙われる中、憲法9条の改正運動が高まり、自衛隊は新日本陸軍、海軍、空軍、そしてアンブレラ・セクターを防衛する東京軍の全四軍体制へと移行された。
しかし、住民だった一三○○万人は未だに東京に居住し続け、魔法界の住民たちも現実世界側へ恭順したため、未だに日本最大の都市として、2024年になった今も存続している。
魔法という技術や諸外国の利害、企業や秘密結社の思惑が絡み合い、様々な矛盾を孕むこの都市。

そこに住む一人の少年、斯上秀人は、ある不思議な力に目覚め、ある組織から狙われることとなる。
そんな彼を救ったのは、黒い装束を身に纏った金髪の少女、ルキ・スペルディア。
悪魔たちが住まう異世界、"魔界"から来た彼女は助けた秀人を助手に引き入れ、一般人にとっては未だに馴染みの薄い魔術や、政府や企業が極秘に開発した科学技術が絡み、警察や軍が解決出来なかった事件を担当する請負屋を開くことを宣言する。

何もかもが三年前とは変わってしまった魔境で、二人が見つける真実とは!?