詩❲情景❳

春の嵐は 荒々しくも 大地を富ます 恵みももたらす

風が音をたてて吹き抜ける 自己主張の強い風 けれどそれは別の何かの裏返し きっとそれは私と同じの裏返し

梅雨が明け 突然の暑さに辟易していたある日 通りがかった家の垣根の枝の先に とんぼが一匹、止まっているのを見つけた

夏の夕暮れはなぜか物悲しくて 黒森　冬炎様の真夏のソネット参加作品です。

雲ひとつ無い青い、蒼い空だった

空から降り注ぐ光が 散らされ、揺らめき 不規則な模様を砂地に描く キラキラと煌めく様は まるで夢の中のようで

誰そ彼 彼方と彼岸の境 転気と共に 歓声は閑静に変わる

秋の空を眺めていると いろんな雲が流れてく 時には大きく羽ばたく翼に見えたり 時には悠々と泳ぐ鯨に見えたり 集団で綺麗に群れを作って泳ぐ雲たちも 秋の空ならではの風景

過ぎた時と共に 通り過ぎていく記憶と景色

星に宿るもの 星が描くもの 私達が知る私達に見えるもの 私達が知らない私達に見えないもの この黒いスクリーンの先には きっと何億とあって その一つ一つに 私達の知らない物語がある

ここは寒い 氷の彫刻の中に閉じ込められたと 錯覚するほどに

温もりのない色に敷き詰められた世界は やがてくちなしの色を帯びていく

見た目も かたちも 同じでも 違って見えることがある 違うと感じることがある

太陽と大地が交わる瞬間

星の光を地上に降ろして 私達は日々を営む 空の光は地上の光に 空の温もりも地上の温もりに そうやって 生きている

夢の中で言葉を紡いでいた 目覚めれば何も思い出せなかった 残ったのは感情だけだった だけどなぜか可笑しかった

山頂で見上げた光景は 僕を星の海へと連れて行ってくれる 僕がそこに飛び込んだのか 星が僕を連れて行くのか それは分からないけれど

雪の下から咲いた花 白い化粧に淡い紅 咲いて咲いて咲き乱れ 恋に愛に身を浸す

春の花に絡めた短き歌です 花が厳かに咲く社のような そんな雰囲気を感じていただけたら嬉しいです 本作はカクヨム様にも投稿しています。 https://kakuyomu.jp/my/works/16//

この季節が巡るたびに 去来する想いと 飛来する想いと

寄せては返す波のように 繰り返し　繰り返し 命は生まれ　育まれ　花咲かせる

いのちのめぐみをいわううた いのちのめぐりをいわううた

どこにでも行ける でも どこにも行かずに留まってもいられる ここは感情交差点 時と道の巡る場所 人の感情が巡る場所

冷たく寒い高地の中でも 枯れることなくそこにあって 春には紅い彩りを添える つつじの花

ただひとときのための二人の仮宿 僅かなときでも なによりも貴重な場所

移ろいゆく季節の中で 変わらぬまま 見送るまま 一人残されてるように思えて でも 繰り返し見送ることが出来ている今は その姿を見ることができるだけ 幸せなのかもしれない

一面画用紙みたいに真っ白だった世界は 今こんなに色付いてる

耳をすませば聴こえてくる 移ろう季節の音階が

今日も 明日も 明後日も

ある夏の日の午後の描写

真昼の月が白い航跡を残して空に昇ってく

照らされて映し出される色 命の営みの中で生まれる色

暑さでじわりと滲む汗の向こう側に映るもの

青い空に立つ姿になき 青い空から帰る姿になく

命芽吹く春も 命咲き乱れる夏も過ぎ 命が散って舞う秋が訪れました 地に還った命は 次の芽吹きのために 玄き冬の雪の下で 眠りの時を待っている

１日の終わり 望めば誰もが見ることの出来る 夢の時間へようこそ

高い場所から景色を眺めてると 並び立つビルの形や その向こうにある山の稜線が 何かに似てる、そう思った

地上からほんの少し離れた人の手による天の川に たくさんの流れ星が流れてるのに 数多の煌めく星の木々が立ち並ぶその真ん中で ぽつんと白い望遠鏡が置かれてる 夜空と呼べないほど 光の幕で覆われたこの空の//

ほんの少しのすれ違いが 伝えたいことを伝わらなくしていく

空の海の底には 昼間は見えないけれど 夜には見える たくさんの星が沈んでる

その空に命が留まることはないけれど

夜明け前、窓の外から鳥の囀りが聴こえてきた いつもよりほんの少し長い囀りは 春の訪れの報せで

突然の雨 頬に触れた雫がやけに温かくて

遠くて近いあおい空 近くて遠いあのお空