共通プロローグ企画

目覚めぬ花は、いつ目覚めるのだろうか。目覚めぬ花も美しいが、目覚めた花も美しい。私は、どちらをより強く望んでいるのだろうか。

結婚して、早数十年。家同士の思惑で結んだ婚姻。私はただひたすら、己の責務にうちこんでいた。家庭のことなど省みず、全てを妻に押しつけて。そして当主の座を息子に譲り渡してからは、戦争もなく平穏な日々が続い//

私には記憶がない。最初の記憶にいる人が、私の夫。記憶のない私を親身になって世話をしてくれたこの人に、恋するのはすぐだった。出逢って早半年。もうすぐ、星祭りの日がやってくる。私は夫と過ごす、初めての春を//

出逢って一目で恋に落ちた。私は妻を世界で一番愛している。美しく優しい妻と過ごす何気ない時間は、私の宝物だ。愛しい妻よ。今年も星祭りがやってくる。雪が、貴女を誘いにくる。

リブフレット国の第一王位継承権を持つ王子、シュレイナート・ネア・グラスの専属護衛騎士団を構成する騎士を集めていた。貴族平民関係なく構成された城騎士から、最大五名（零の時もある）の騎士を選ぶことになった//

会ったことのない母の両親の元で養女として過ごしていたリサ。そんな彼女が十八歳を迎える誕生日の日に、店に訪れた客が持ち込んだ時計がきっかけで運命の歯車が周り始めた……。