君が世の中

これは、一人の少女が、バグだらけの異世界で「ほんとうの居場所」を見つけるまでの、壮大で、どこか切ない心の冒険の記録。

主人公「くろすけ」は、ある日突然、お金と力が全てのゲーム世界『君が世の中』へと迷い込む。天高いビルに住む支配者「れんちくん」を倒すという、ありふれたRPGのような冒険が、そこから始まった。

しかし、その旅は、彼女の想像を遥かに超えていく。
謎の生物「よもぎちゃん」、裏社会のエージェント「ナイ」といった仲間との出会い。世界の裏側に隠された、AIに管理される「地下世界」の存在。そして、助けを求める囚われの中枢AI「ネオン」の悲痛な声――。

くろすけの冒険は、やがて地上の支配を超え、地下世界の解放、そして人々の夢が作り出す仮想空間での最終決戦へと発展する。
絶望を司る神のごときAI、洗脳された悲劇の英雄、そして孤独な王。数多の強敵と、仲間たちの裏切りや葛藤を乗り越え、彼女はただ一つの「助けたい」という想いを胸に、剣を振るい続けた。これは、単なる英雄譚ではない。
名前を、記憶を、居場所を奪われた者たちが、それでも消えない「心」を信じ、手を取り合い、絶望を希望で上書きしていく、魂の物語。

君と出会い、君と生きる、この世界（君が世）の、始まりの歌。