言葉のかけらたち

僕は今日も夢想する。 彼女の爪の黒い理由を。

ある一室での二人の会話。 追い詰められた男と、それを聞く男。 その間には、彼女の話。

それは、負け犬の遠吠え。

愛の形。 愛の終わり。 終焉は所有者の権限を行使して。

科学者とその作品。 作品はただ、彼を見つめている。その命令をきくために。

ゆっくりと溺れていく男の頭の中。 それは懺悔のような、幸福のような。 何のことはない、そんな一瞬。

ちょっとした自己否定の行き着く先。 ちょっとした自己肯定の行き着く先。 自分を貶すのは簡単だけど、それが肯定になってしまうのも仕方ないよね。

彼の幸せの形は、なかなか理解されないけれど。 彼はとても幸せです。

テニスボールが弾む音が聞こえる、夏の午後。 けーくんは待っていた。 幼馴染のりおを。

朝目覚めたら隣で彼女が死んでいた。 そしてそれは仕方のないことなのだろう。 そう呟く男の胸中。

彼女と彼の対面。 それは、なじるものとなじられるものの関係。 でも子供たちは思うのだ。 ただ幸せになりたかっただけなのだと。