吉光里利の化け物殺し

　ーー少女は、化け物に出会った。


　何にも全く興味を示さない女子高校生、吉光里利。
　友達も、特技もなく、ただ冷淡な考え方しかできない。空白な日常を送っていた。

　いつも通りの帰り道、彼女は化け物に遭う。逃げ出し、事なきを得たものの、話はそこからだった。
　
　翌日、化け物に遭い、化け物を殺す事を生業とする、異能力を持った少年と出会う。
　彼が日常に這入り込む。

　それからほぼ毎日、化け物を倒す日々。
　化け物が日常を侵食する。

　数日後、化け物殺しへの組織を動かす人間と、彼女に興味を示す女子高校生に出会う。
　彼が、彼女が日常を変容させる。

　それからもほぼ毎日、化け物を倒す日々。
　化け物が日常を奪い去る。

　それでも、化け物は死なない。不死身の、化け物。何度倒しても蘇ってくる。
　彼女は化け物を殺すための何もない。異能力も、モチベーションも。
　だから、彼女の日常はーー戻らない。

　そして、戻ったところで、残るのは空白だけ。

　空白を選ぶかーー化け物を選ぶか。

　吉光里利ーー彼女の心はそんな日常にどう向き合うのか。

　彼女が、化け物を殺す物語。