七界の調節師 ― 境界に立つ少女の物語 ―

七つの界が重なるとき、少女は“調節師”になる。

春。
大学入学を機に、伏間 藍（ふすま・あお）は、祖母の家に引っ越した。
そこは、七つの異界──神・仙・精・妖・魔・鬼・人──をつなぐ“世界の境界線”だった。

突如告げられる、自らの役目。
「調節師」として、知恵の結晶を名乗る相棒・ネモと共に、
藍は“歪み（カタヨリ）”を調える術を、各界の師から学び始める。

科学か、非科学か。
正義でも悪でもない、世界の「揺らぎ」を静かに見つめる物語。

壊さず、滅ぼさず、ただ調える。
それが、わたしに託された名前──“調節師”。


【登場人物】
・伏間 藍（ふすま あお）：主人公。大学1年生。祖母の家に住む。
・ネモ：白いフクロウの姿をした存在。七界の知恵の結晶。
・伏間 慧（ふすま けい）：藍の兄。診療所を継いだ青年医師。
・桐谷紗夜（きりたにさよ）：藍の親友。中高からの親友。
・東雲 湊（しののめみなと）：祓い師の家系、兄慧の親友で精神科医。


【世界観】
異界との境界が歪む現代。
人の心に異なる世界が干渉し始め、“調節師”はその均衡を調える存在として現れる。

異能×精神世界×人間心理 を描く、長編現代ファンタジー。