シバの目ミミの目

首輪に特別な魔法をかけ、人がそれを動物に着ける事によって、一人と一匹は唯一無二の関係となる。それは必ず一匹以上であってはならない。古よりの決まりごと。この星の人々はその、首輪を着けた動物の事を、「ペット」と呼んでいる。

――かつて、古の大占い師はこう予言した。

安らかなる青き国に闇生れしとき、青き国は暗黒の国へと変わるだろう。
民が光を失い暗澹とした日々が過ぎし時、七色の光をまといし勇者現れ、
闇を打ち砕き、青き石を女王の手に取り戻すだろう。
――星歴、二二五四一年。
突然、水の都と呼ばれたトキアの首都ハルバルートに、暗国王率いる闇の軍隊が現れ、青暗戦争が起こった。トキアを支えていた、白、黒、赤、緑、黄、橙、紫の、七大臣は次々と暗国王の力に屈し、トキアの正規軍は闇の軍隊に打ち負かされた。暗国王は永きに渡ってトキアを支配してきた王族の血を絶ち、自らが新王となって、トキアの国の名を闇の王国と改めた。
そして、十一年の月日が流れる。
闇の軍隊の追跡から逃れ、わずかに生き残った者達は結束をし、各地に潜伏していた。彼らは待っているのだ。いずれ必ず現れる筈の、七色の勇者を。そしてその勇者と共に、悪政を行い続ける暗国王の手から、平和なトキアの国を取り戻す時を――。