- あらすじ
- 「《人類》を愛してるんだ。人じゃなく、ね」
その言葉を聞いた瞬間、刑事アイルは悟った。
──こいつは《純然たる悪》だ、と。
雨の夜だった。
十九世紀ロンドンの煤煙と霧が絡む廃工場で、
ついに長年追ってきた連続殺人犯《エヌ》を追い詰めた。
黒と白だけで統一された礼服。
日光を避けるためのようなつば広帽子。
怜悧で白い面差しと、優美な動き。
目の前に立つ男は悪とは思えぬ《美しさ》を帯びていた。
思想が鋭い。
言葉は冷たい。
だが、何より──胸を熱くする語り口。
(なぜ俺は、この怪物に惹かれている?)
認められるものか。
人の形をしていようと、お前は《外道》だ。
雨に濡れたコートの懐からゆっくりと拳銃を引き抜く。
引き金に指を掛けた瞬間、瞳に映るのは、己の意地か、誇りか、それとも罪悪感か。
もはや職務でも、ましてや正義でもない。
ただ──《人としての誇り》を守るため。
ベテラン刑事と、人類を愛する怪物。
誇りと存在が衝突する、わずか数秒の戦い。
「僕はね、人類を《美しく》したいんだ」
短編《美しき殺人鬼は、人類を愛している。》──開幕。 - Nコード
- N9747LL
- 作者名
- 灯野ユヅル@GoodNovel契約作家
- キーワード
- 残酷な描写あり
- ジャンル
- ヒューマンドラマ〔文芸〕
- 掲載日
- 2025年 12月08日 21時01分
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- 文字数
- 5,787文字
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美しき殺人鬼は、人類を愛している。
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+注意+
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