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電卓の武士

あらすじ
地球を囲う蜘蛛の巣、電脳世界(デンノウガルズ)。その世界には、神々が見守る高天原(サーフェイスウェブ)、電子が住む葦原中国(ディープウェブ)、妖怪が巣食う黄泉国(ダークウェブ)の、三つの層に別れる。



 あるとき、葦原中国(ディープウェブ)を創った高天原の女神が、火の神を生んだ。赤子の肉体に纏わりつく火は、母を燃やし、殺した。赤子は、生まれながら溢れ出る火で母を殺したことを、赤子ながら自覚できなかった。女神の夫は、妻を燃やしながらも誕生した息子を憎み、剣で赤子を殺した。赤子の屍と魂は、高天原から消え、黄泉の国へ逝った。

 我が誕生の火で母を殺害。父からの殺害。二つの不合理な生と死を知り、我が火を恨んだ。この世の誕生を憎んだ。生体の存在を妬んだ。我以外の生体の存在が許せなかった。

 己から湧き出る憎悪の業火で、生きとし生ける妖怪や電子を焼き殺した。屍を糧に生きた。様々な生体の屍を食い、育つにつれ頭から角が生えた。同時に、火は蒼色が帯び、後に、彼は鬼と恐れられた。



 高天原の神々は、鬼を完全に消去させるべく、裁きを企てた。裁きの雷は下され、鬼を圧した。

 しかし、雷より神々への憎しみの方が勝り、逆に雷を飲み込んだ。鬼は、裁きの雷を食したことで、電気を鬼火に変える吸電鬼(きゅうでんき)と進化する。得た膨大な電気量は、鬼火を更に激化させ、鬼火は肉体を溶かし、鬼は新たな姿を見せる。鬼火の海から現れた鬼神は、高天原へ鬼炎を放ち、神々を返り討ちにさせた。



 こうして吸電鬼は生き、黄泉国(ダークウェブ)の北東を中心に繁殖・繁栄し、集落を作った。電気を飲み込み鬼火に変える力を持つ吸電鬼一族は、禍魅羅かみらと呼ばれ、その勢力は黄泉国(ダークウェブ)の半分を占めるようになった。



 それから幾億年。

 一人の鬼 その少年は、正義の志と、とある者への復讐を胸に、黄泉国(ダークウェブ)から葦原中国(ディープウェブ)へ身を出した。
Nコード
N9728FK
作者名
ヴェノジス・デ×3
キーワード
オリジナル戦記 異能力バトル ヒーロー ラブコメ 電脳世界 和風 和風ファンタジー 妖怪
ジャンル
ハイファンタジー〔ファンタジー〕
掲載日
2019年 04月11日 10時00分
最新掲載日
2019年 04月11日 10時00分
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文字数
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