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常連と一見         :約1500文字

短編
あらすじ
「……ひどい味だな」

 夜、とあるバー。天井に吊るされたランプがオレンジがかった光を落とし、磨き上げられたボトルの列を柔らかく照らしている。スピーカーから静かに流れるジャズが、空気に溶け込んでいた。
 カウンター席の端に座る老人は、手元のグラスをじっと見つめたまま、ぼそりと漏らした。眉間に深い皺を刻み、ゆっくりとグラスをカウンターへ置く。琥珀色の液体が老人の吐息に合わせるように、かすかに揺れた。

「おいおい、そりゃ聞き捨てならないね、じいさん」

 三つほど離れた席に座る男が、体を傾けて声をかけた。

「ここはこの辺じゃ一番の店だぜ。おれが保証するよ」

 男は足を組み替え、マスターへ視線を投げた。
Nコード
N9676LV
作者名
雉白書屋
キーワード
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ジャンル
ヒューマンドラマ〔文芸〕
掲載日
2026年 03月04日 11時00分
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