- あらすじ
- 「はい、どうもいつもありがとうございますっ。……次の方――えっ、人間?」
店主らしき男はぴたりと動きを止め、眉をひそめた。次の瞬間、カウンターに両手をついてぐっと身を乗り出し、丸く見開いた目で、まじまじとおれを見つめてきた。
おれは「ははは、まあ……」と曖昧に笑い、手にしていたベーコンレタスサンドをカウンターに置いた。カサリとビニールの擦れる音が妙に大きく響いた気がした。
今日は行きつけの牛丼屋が臨時休業だった。仕方なく通りをぶらつき、どこか手ごろな店はないかと探しているうちに見つけたのが、この小さなパン屋だった。看板は少し色褪せていて、ガラスも曇っており、どこか時代に取り残されたような雰囲気を漂わせていた。それがむしろ、どこか親しみを感じさせた。なのに――。
「いやー、珍しいですねえ。人間のお客さんなんて……あっ、もしかして現金ですか? あの、申し訳ないんですが、うちは――」
「いや、電子マネーで払えるよ」
おれはそう言ってポケットからカードを取り出し、差し出した。すると店主は一瞬きょとんとしたあと、首を傾げて苦笑した。
- Nコード
- N9616LY
- 作者名
- 雉白書屋
- キーワード
- キーワードが設定されていません
- ジャンル
- 空想科学〔SF〕
- 掲載日
- 2026年 03月29日 11時00分
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- 文字数
- 2,658文字
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