- あらすじ
- 沼袋に住む青年が社会復帰するまでの物語
____
西武新宿駅の改札を抜けると、夜はいつも同じ匂いがする。
湿ったアスファルトと、誰かの夕食と、終電を待つ人の焦りが混ざった匂いだ。
高田馬場へ向かう電車は、今日も特別な理由もなく滑り込んでくる。
乗客の半分はスマホを見て、残りの半分は何も見ていない。
窓に映る自分の顔だけが、やけに現実的だった。
下落合を過ぎて、沼袋が近づくころ、車内は少しだけ空く。
街が、選別を始める。
ここまで来る人間は、だいたい帰る場所が決まっている。
改札を出ると、北口の商店街はまだ生きている。
シャッターは半分、灯りは半分。
八百屋の蛍光灯、安い理髪店の赤青白、ラーメンの湯気。
昼にも夜にも所属しない時間が、この通りにはよく似合う。
角を一つ曲がる。
焼き鳥の煙が少し濃くなる。
自販機の音だけが、やけに大きい路地を抜ける。
その店は、いつも派手に主張しない。
看板は小さく、入口は低い。
中からは笑い声と、油のはぜる音と、何かを諦めたような沈黙が交互に漏れてくる。
引き戸を開けると、知った顔がもう一つ、先に座っている。
今日も誰も、すごい話は持っていない。
ただ、それぞれの「何もなかった一日」を、ここに置きに来ただけだ。
外では、また一本、電車が沼袋を素通りしていく。 - Nコード
- N9583LL
- 作者名
- あいまいもこ
- キーワード
- ギャグ ほのぼの 男主人公 和風 現代 職業もの 群像劇 日常 ハッピーエンド 無職 コンビニ 劇団 居酒屋 フリーター
- ジャンル
- ヒューマンドラマ〔文芸〕
- 掲載日
- 2025年 12月08日 18時54分
- 最新掲載日
- 2025年 12月12日 09時00分
- 感想
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- 文字数
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俺の話を聞いてくれー西武新宿線界隈ー
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連載(全13エピソード)
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ヒューマンドラマ〔文芸〕
沼袋に住む青年が社会復帰するまでの物語
____
西武新宿駅の改札を抜けると、夜はいつも同じ匂いがする。
湿ったアスファルトと、誰かの夕食と、終電を待つ人の焦りが混ざった匂いだ。
高田馬場へ向かう電車は、今日も特別な理//
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連載(全189エピソード)
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歴史〔文芸〕
若さも、華も、いらない。
この物語にあるのは、ただ「背中」で語る男たちだけ。
――血と煙の中、生き様で世界を動かす“おじさん”たちの戦記
つまり「渋いおじさんだけが主役」「色気でもハーレムでもなく、生き様で魅せる」そん//
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