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昆布と一次植物

短編
あらすじ
 恐ろしい夢で目が覚めた。部屋のカーテンを開ければ綺麗な青空が街を優しく包んでいる。もう学校に行く時間だと思ったけれど、スマホの電源を入れると時刻はまだ午前5時。登校時間までかなりの余裕がある。再びベッドの上に横になったのだけれど、あの夢が気になって仕方がない。4畳半の狭い部屋、そして煎餅布団。段ボール箱の上に無造作に並ぶ空の缶ビール達。その缶のビル群の真ん中で、ブルブルと振動している黒色の携帯電話。夢の中の私は、何も考えずにその携帯電話に出た。

「浜岡こらぁ!今日の撮影バックレやがって!違約金500万円だぞ分かってんだろうなコラァ」

 スピーカーを破壊しそうな程の恐ろしい怒声。まず私は浜岡って名前じゃないし、こんな怒鳴る大人なんて知らない。確かに私の中学校には怖い男先生もいる。でも怒られることなんてしてないし。

「あ……あの撮影って、どういうことでしょうか……」

 驚いたことに私の口から発せられたのは、まるで男性のような低い声だったのだ。もちろん「なんで?」とビックリしたのだけれど、電話の向こうの声がその些細な疑問を吹き飛ばしてしまう。

「AVの撮影に決まってんだろ。とぼけやがってその耳引きちぎってやろうか」

 衝撃的な言葉を耳にして、震える手からスマホが落ちる。慌てて拾いあげて詳細を確認する。

「確認しますけどAVというのは、あの……男女がまぐわう的な。私達子供が見てはいけない映像のことでよろしいでしょうか」
「てめぇが出演すんのはゲイポルノだろ!分かってんだろうな500万円だぞ」

 
 私は強引に電話を切った。それでも何度も着信が来るので携帯の電源を落とす。煎餅布団を踏みつけて立ち上がると視線がやけに高い。私の身長が大きくなっているようだ。洗面所の鏡の前で恐る恐る自分の顔を確認してみると……そこには見知らぬ大男が映っていた。そこで夢は覚めた……。でも何故にあんな怖い夢をみたのか分からない。もう一度眠ろうとしたけれど、寝つけなかった。私は部屋の明かりをつけ、スクールバッグから理科の参考書を取り出した。ベッドに横になりながらページをめくると植物分類についての項目が目に入る……。藻類(ワカメ、コンブ)というのは「植物とは異なるグループ」と明記されていた……。ということで藻類についてのお話です。
Nコード
N9273GH
作者名
素浪人セカンドアウト
キーワード
日常 サイコホラー 葉緑体 一次植物 二次植物 昆布
ジャンル
エッセイ〔その他〕
掲載日
2020年 06月19日 11時24分
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文字数
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