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さてはお前、詩人だな?

短編
あらすじ
 街中、陽気な午後。ユイはマッチングアプリで知り合った男と並んで歩いていた。
 歳は同じくらい。見た目はまあ悪くはない。だが重きを置くのは性格と資産。ユイは結婚を前提に付き合うかどうかを今日のデートで見極めるつもりだった。
 開始からここまでは特に問題なし。多少、心に引っ掛かりはあるが、それが何なのかユイ自身も言語化できずにいた。ゆえに、大したことではないだろう。そう思っていた。

「――かない?」 

「え、あの、今なんて? ごめんなさい。ちょっとボッーとしてて……」

「ん、この辺りに僕の家があるから、ちょっと寄って行かないかい?」

 いきなり家に……と、ユイは思ったが、数年前に大型ショッピングモールが建つなど開発が進んでいる駅近くのこの辺りの土地の価格は高い。これまでの会話で賃借ではないことは確定。それも伸び伸びとできるという口ぶりからして一軒家。
 もしかしたら古い家かもしれないが前述の通り、土地自体はかなり高額だろう。売れば、どこだろうとマンションを買えるのでは。
 そもそも、サイトのプロフィールによると彼の貯金は二千万円以上。ゆえに生活の心配もなし。
 と、そう考えたユイは目を強くつぶり、自制する。
 お金ばかりのことを考えては駄目。あたしの現状……。嫌な人がいる職場。給料もそんなに貰っていない。だから確かにお金は大事。でも、結局は愛でしょう?

「ハートだよね」
Nコード
N8743IO
作者名
雉白書屋
キーワード
ショートショート
ジャンル
コメディー〔文芸〕
掲載日
2024年 01月15日 11時00分
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文字数
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