ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

星砕きの剣 ―覚醒―

あらすじ
 世界が割れたのは、三百年前のことだった。
 いまでは誰もがその話を知っている。学者たちは「大断絶」と呼び、吟遊詩人たちは「神々の泣き声」と歌い、老人たちは子どもたちに「空が赤く染まった夜があった」と語り聞かせる。だが実際にその夜を生き延びた者は、もはや一人も残っていない。
 残っているのは傷跡だけだ。
 大陸の中央部に走る巨大な亀裂、通称「裂け目」は、今も昔も塞がることなく大地を東西に分断している。幅は最も狭い場所でも三百メートル、最も広い場所では一キロメートルを超える。深さは誰も知らない。測ろうとした者が何人もいるが、全員が途中で命綱を切られ、あるいは自分から綱を手放して落ちていった。裂け目の底には何かがいる、と人々は信じている。あるいは何かが「いた」と。
 ルード・アルヴェンが初めて裂け目を見たのは、七歳の誕生日のことだった。
 父親に連れられて、王都グラニスから四日かけて馬車で移動した先に、裂け目の観光用展望台があった。父は商人で、その旅は取引のついでだったが、ルードにとっては生涯忘れられない経験になった。
 展望台の柵に摑まって、ルードは黒い深淵を覗き込んだ。風が吹き上げてきて、帽子が飛んだ。父親が笑いながら新しい帽子を買ってくれると言った。だがルードは帽子のことなど気にならなかった。
 裂け目の向こう側に、何かが光っていた。
 赤い光だった。規則的に、脈打つように明滅している。まるで何か巨大なものの、心臓の鼓動のように。
 父親には見えなかったらしい。周りの大人たちにも。ルードが「あそこが光ってる」と言うと、みんなが優しく笑った。「子どもは想像力が豊かだね」と言いながら。
 十二年後、ルードはその光の正体を知ることになる。
 そしてその知識が、彼の人生を、そしてこの世界を、根本から変えてしまうのだった。
Nコード
N8587LX
作者名
もたきち
キーワード
キーワードが設定されていません
ジャンル
ローファンタジー〔ファンタジー〕
掲載日
2026年 03月17日 11時48分
最新掲載日
2026年 03月17日 13時00分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
0件
総合評価
0pt
評価ポイント
0pt
感想受付
受け付ける
※ログイン必須
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
31,608文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N8587LX| 作品情報| 連載(全16エピソード) | ローファンタジー〔ファンタジー〕
 世界が割れたのは、三百年前のことだった。  いまでは誰もがその話を知っている。学者たちは「大断絶」と呼び、吟遊詩人たちは「神々の泣き声」と歌い、老人たちは子どもたちに「空が赤く染まった夜があった」と語り聞かせる。だが実//
N9191LW| 作品情報| 連載(全14エピソード) | ハイファンタジー〔ファンタジー〕
現代日本には、人間の世界と重なるように 「境界(ボーダー)」 と呼ばれる異界の裂け目が存在する。 そこから現れる存在 妖(あやかし) 神の欠片 異界の獣 それを密かに管理する組織がある。 境界管理局(ボーダーオフィス) //
N7276LV| 作品情報| 連載(全10エピソード) | その他〔その他〕
ある刑事が同窓会に参加して・・・
N8549LU| 作品情報| 連載(全14エピソード) | ハイファンタジー〔ファンタジー〕
ある街の処刑場の裏、ゴミ捨て場に捨てられていた「死体(ツーダ)」を、路頭に迷っていたナベが拾うところから物語が始まります。 ツーダの秘められた背景 前世の記憶: 現代(あるいはそれに近い世界)で、全身の激しいアトピーに//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ