ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

終焉見るなら、この場所で。

あらすじ
 そこでは七日に一度《終焉》が訪れていたが、現地の人々は気にしていなかった。
《天使》と呼ばれる少女、シオンが居るからだ。
 普段は無気力だが、世界を守る使命に関しては、彼女は常に全力だった。
 終焉とは、大地をこの世に留めている《斜塔》が崩れて初めて発生する。つまりシオンが塔を守っている限り、終焉は訪れないのだ。
 だが、そこにシオンの自演行為が紛れていることは誰も知らない。
 天使の持つ力は、人々の信心から得られるもの。シオンはわざと魔物の棲む森で国を囲い外界と遮断、誤情報を流して信頼を稼いでいた。
 何より信心が薄まることを恐れるシオンは、もう何十年も嘘を突き通していた。
 あるとき、不可侵の魔物の森を、旅団に属する一人の青年・メブキが突破する。
 諸国に対し「戦争をやめるよう説いてほしい」と彼は言うが、シオンはこれを「めんどくさい」と一蹴。未だに戦争してる連中なんかどうでもいいとシオンは返すが、メブキは頷くまで帰りませんと譲らない。
 だったらそれまでこき使ってやると言い出せば、なんと青年は喜び出す。
 どうやらこの男、元から天使に対して憧れを持っていたらしく、逆に良い機会を与えてしまったようだった。
 外界の情報を漏らさぬように、シオンはひとまず青年を自宅に軟禁する。が、これは住民側がやってきたために失敗する。
 案の定、住民と青年の間で生じた情報のすれ違いが疑問となり、シオンは弁明しようと混乱する。
 不審に思われた、力が弱まる、と不安になるシオン。メブキと話し合い、どうしたらいいのかと無意識に尋ねていた。
 だが、住民はそんなこと気にしない。皆はきっと一人の女の子に対して、無条件に応援している。
「皆を信じてあげてください」
 よそ者の言葉ながら励まされたシオンが、皆のもとへ戻ろうとしたとき、これまでとは異なる形で終焉が訪れる。
 住民が死に絶え、信心は消え、シオンの力も削がれていく。それでも斜塔を守ろうとシオンは、メブキの言葉を思い出し、足掻く。
 消えた力が戻ることはなかったが、シオンは奇策を閃いた。
 シオンはあえて終焉を受け入れ、斜塔を破壊する。
 そして壊れ始めた世界に溢れ出した、救いを求める声を一身に受け止めて――少女は、崩壊を迎えたこの大地に、新たな楔を打ち込む。
 終焉は鎮まり、住民も目を覚ます。
 新しい世界で、新たな一日が始まった。
Nコード
N7842FZ
作者名
鳩村ピジョン
キーワード
年の差 天災 天使 少女主人公 終末世界 青年
ジャンル
異世界〔恋愛〕
掲載日
2020年 01月30日 16時45分
最終掲載日
2020年 01月30日 16時51分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
1件
総合評価
8pt
評価ポイント
6pt
感想受付
受け付ける
※ログイン必須
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
45,885文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N7842FZ| 作品情報| 完結済(全6エピソード) | 異世界〔恋愛〕
 そこでは七日に一度《終焉》が訪れていたが、現地の人々は気にしていなかった。 《天使》と呼ばれる少女、シオンが居るからだ。  普段は無気力だが、世界を守る使命に関しては、彼女は常に全力だった。  終焉とは、大地をこの世に//
N0252EG| 作品情報| 短編| 空想科学〔SF〕
 少し先の未来。  日本列島に属するシコクは、カガワ・エヒメ・トクシマ・コウチの四つからなる巨大な学園都市となっていた。  生徒が運営する自治組織、【風紀委員】に所属している初音鏡花はその日、カガワ小等区で行われるイベン//
N7160EF| 作品情報| 短編| コメディー〔文芸〕
ヘンな呪いを受けた女騎士三人が、ある呪術師に解呪を頼む話。 呪いは解けたものの、仕事ばかりしてきた三人には婚期という敵が存在していた。 呪術師は呪いを解く過程で、彼女らの「寂しさ」、「誰かと居る楽しさ」を刺激し、待ってば//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ