- あらすじ
- そこでは七日に一度《終焉》が訪れていたが、現地の人々は気にしていなかった。
《天使》と呼ばれる少女、シオンが居るからだ。
普段は無気力だが、世界を守る使命に関しては、彼女は常に全力だった。
終焉とは、大地をこの世に留めている《斜塔》が崩れて初めて発生する。つまりシオンが塔を守っている限り、終焉は訪れないのだ。
だが、そこにシオンの自演行為が紛れていることは誰も知らない。
天使の持つ力は、人々の信心から得られるもの。シオンはわざと魔物の棲む森で国を囲い外界と遮断、誤情報を流して信頼を稼いでいた。
何より信心が薄まることを恐れるシオンは、もう何十年も嘘を突き通していた。
あるとき、不可侵の魔物の森を、旅団に属する一人の青年・メブキが突破する。
諸国に対し「戦争をやめるよう説いてほしい」と彼は言うが、シオンはこれを「めんどくさい」と一蹴。未だに戦争してる連中なんかどうでもいいとシオンは返すが、メブキは頷くまで帰りませんと譲らない。
だったらそれまでこき使ってやると言い出せば、なんと青年は喜び出す。
どうやらこの男、元から天使に対して憧れを持っていたらしく、逆に良い機会を与えてしまったようだった。
外界の情報を漏らさぬように、シオンはひとまず青年を自宅に軟禁する。が、これは住民側がやってきたために失敗する。
案の定、住民と青年の間で生じた情報のすれ違いが疑問となり、シオンは弁明しようと混乱する。
不審に思われた、力が弱まる、と不安になるシオン。メブキと話し合い、どうしたらいいのかと無意識に尋ねていた。
だが、住民はそんなこと気にしない。皆はきっと一人の女の子に対して、無条件に応援している。
「皆を信じてあげてください」
よそ者の言葉ながら励まされたシオンが、皆のもとへ戻ろうとしたとき、これまでとは異なる形で終焉が訪れる。
住民が死に絶え、信心は消え、シオンの力も削がれていく。それでも斜塔を守ろうとシオンは、メブキの言葉を思い出し、足掻く。
消えた力が戻ることはなかったが、シオンは奇策を閃いた。
シオンはあえて終焉を受け入れ、斜塔を破壊する。
そして壊れ始めた世界に溢れ出した、救いを求める声を一身に受け止めて――少女は、崩壊を迎えたこの大地に、新たな楔を打ち込む。
終焉は鎮まり、住民も目を覚ます。
新しい世界で、新たな一日が始まった。 - Nコード
- N7842FZ
- 作者名
- 鳩村ピジョン
- キーワード
- 年の差 天災 天使 少女主人公 終末世界 青年
- ジャンル
- 異世界〔恋愛〕
- 掲載日
- 2020年 01月30日 16時45分
- 最終掲載日
- 2020年 01月30日 16時51分
- 感想
- 0件
- レビュー
- 0件
- ブックマーク登録
- 1件
- 総合評価
- 8pt
- 評価ポイント
- 6pt
- 感想受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - レビュー受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 誤字報告受付
- 受け付ける
※ログイン必須 - 開示設定
- 開示中
- 文字数
- 45,885文字
設定
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終焉見るなら、この場所で。
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品
N7842FZ|
作品情報|
完結済(全6エピソード)
|
異世界〔恋愛〕
そこでは七日に一度《終焉》が訪れていたが、現地の人々は気にしていなかった。
《天使》と呼ばれる少女、シオンが居るからだ。
普段は無気力だが、世界を守る使命に関しては、彼女は常に全力だった。
終焉とは、大地をこの世に//
N0252EG|
作品情報|
短編|
空想科学〔SF〕
少し先の未来。
日本列島に属するシコクは、カガワ・エヒメ・トクシマ・コウチの四つからなる巨大な学園都市となっていた。
生徒が運営する自治組織、【風紀委員】に所属している初音鏡花はその日、カガワ小等区で行われるイベン//
N7160EF|
作品情報|
短編|
コメディー〔文芸〕
ヘンな呪いを受けた女騎士三人が、ある呪術師に解呪を頼む話。
呪いは解けたものの、仕事ばかりしてきた三人には婚期という敵が存在していた。
呪術師は呪いを解く過程で、彼女らの「寂しさ」、「誰かと居る楽しさ」を刺激し、待ってば//
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。